セカンドオピニオンを勧めるとき 西岡賢一獣医師「その動物にとって一番いい医療を」
愛犬「ジョン」の存在
生まれたときにはすでに犬がいて、それからずっと動物と一緒に暮らしてきた西岡先生。現在は、愛犬4匹、愛猫1匹と暮らし、自宅の庭では自身の病院で避妊・去勢手術をした地域猫6匹のお世話もしています。獣医師としてだけでなく、幼少のころから命が生まれる喜び、命がなくなる悲しみをたくさん経験してきました。 「自分の意思で犬を飼ったのは小学1年生のとき。公園に捨てられていた柴犬の雑種を連れて帰り、『ジョン』と名付けました。ずいぶんかわいがりましたけど、ぼくが6年生のときに、フィラリア症で心臓の手術中に亡くなりました」 獣医師に招かれ手術室に入ると、息を引き取ったジョンが横たわっていました。その姿を見て、「ジョンのような動物を助けられるようになりたい」と強く思ったのが、西岡先生が獣医師を志すきっかけでした。 獣医師として歩んで約30年、「毎日、大好きな動物に囲まれて、ふれ合ったり、命を助けたり。いい仕事に就いたなと思います」という西岡先生に、最後に獣医師としての一番のやりがいをたずねてみました。 「獣医師の中には、難しい手術をやりとげたときにやりがいを感じるという人もいます。確かに充実感はあるんです。でも『そこが終着点じゃないぞ』と思っていて。本当のやりがいは、元気になった動物と飼い主さんが健康診断などで病院に来てくれたとき。ぼくにとって、その幸せな姿と笑顔を見るのが、獣医師としての何よりの喜びです」
今回ご登場いただいた獣医師の先生
西岡賢一先生 獣医師。VCA Japan「PAL動物病院グループ」総院長。「一般社団法人Team HOPE」副代表。1992年、北里大学獣医学科卒業。1996年、福岡県遠賀郡水巻町でパル動物病院を開院。2020年、PAL動物病院グループ設立(本院、別館、飯塚分院、江島動物病院)。PAL動物病院グループでは、ヒューマンアニマルボンド(動物と人との絆)の架け橋となるべく、各病院において一般診療から高度専門医療まで多角的に提供している。
この連載はsippo×Team HOPEでお届けしています
2013年に発足した、ペットの健康診断を推進する獣医師団体。健康な時から動物病院へ通うことで、病気の早期発見と早期治療の実現を目指すと同時に、ペットとご家族さまにとって動物病院がいつでも行けて相談できる、身近な存在となるよう活動している。賛同会員病院数は2024年10月時点で2,800を超える。https://www.teamhope.jp/