弥生時代「米の貸し借り」で既に存在した「利子」。現代に通ずる「利回り」が興味深い【金融の歴史】
明治維新後に“2度”繰り返された、70年の「金利サイクル」
渡部 なるほど。私は金利を調べたことがあって、少なくとも明治維新後は、ざっくり30年上がって40年下がる。30年上がって40年下がる。そういう70年が2回あるんですよ。なので、そろそろ上がるところに来ているだろうなというのは、そのサイクル論でずっと感じていて。 澤上 サイクル論は面白いんだ。なんか理由があるようでないようで、歴史を見ると意外に当たるんだよね。不思議なんだ。
弥生時代に存在した金利
渡部 じゃあ、金利がどこまでいくかという話もざっくりなんですけど、金利の歴史を調べたことがあって。弥生時代から金利らしきものはあったんです。貸稲(イラシイネ)といって、お米を貸し借りする制度があって、その金利を今流に利回りで換算すると、6%ぐらいらしいんですよ。その後、日本でもずっと金利らしいものがあって、どれもだいたい6%なんですよね。 なので、なんとなくですけれども、先ほど話した30年という長い流れですけれども、今回もそのあたりに向かうのではないかという感じがします。 澤上 そのあたりに収まっていくんだろうね。だけど、マーケットは一回は、必ず大きく振れて、行き過ぎるものなんだ。静かに収まるなんて、あり得ない。 渡部 じゃあ、一回12%ぐらいはいきますね。 澤上 いくんじゃないの。どこまで振れるのかは、わかんないけどね。10%とかは十分にあり得る。人間の行動だから、みんな債券をたっぷり抱え込んでいるんだから、それらを大慌てで売るから、止めようがないよ。 アメリカの長期金利を150年ぐらいの時間軸で見ると、インフレはだいたい平均すると3.8%ぐらいなんよ。だから逆に言うと、投資運用、財産づくりでは、インフレプラス2%とか3%で、6%、7%が一つの目処(めど)となる。 投資って、だいたいそんなものだよ。これまではインデックスはずっと上がってきたわけだが、これからは、そうはいかない。つまり、そう簡単に投資収益をあげられなくなる。 澤上 篤人 公益財団法人 お金をまわそう基金 代表理事 渡部 清二 複眼経済塾 代表取締役塾長
澤上 篤人,渡部 清二