全米メディアも八村塁の歴史的1巡目ドラフト9位指名に沸く「即戦力としてウィザーズに好影響」「とてつもないツーウエイ(攻守)プレーヤーに」
全米メディアもゴンザガ大の八村塁(21)がNBAドラフトでワシントン・ウィザーズから日本人初となる1巡目、全体9位で指名されたニュースに沸いた。 ウィザーズの地元でもあるワシントンポスト紙は「ウィザーズがゴンザガ大の八村の1巡目指名で歴史を作る」との見出しを取り、日本人初となる1巡目指名選手の誕生を伝えた。 「NCAAの過去2シーズン以上にわたりウィザーズの代表者たちはワシントン州を拠点とする選手に大きな興味を示していた。ゴンザガ大の八村には何かがあった。彼は7フィート2インチ(約218センチ)のウイングスパン(両手を広げたリーチ)を持つスコアラー、ディフェンダーとして関係者に好印象を残していた。ウィザーズは海外選手(の八村)がはるか遠くからアメリカにやってきて、スポケーンで英語を学びながらオールアメリカンとして花をひらくまでを見てきた」と紹介。 ウィザーズのトミー・シェパード暫定代表の「彼は、この数年間、我々が見てきた選手だった。彼は遅咲きの選手。彼はとてつもないツーウェイプレーヤー(攻守に活躍する選手)になるポテンシャルを秘めていると思う。彼を指名することになることは分かっていた。何人かの選手が候補だったが、彼のポテンシャルと成長曲線を見た上で彼の今現在の能力を考えた。我々は(八村の指名に)とても満足している」というコメントを掲載した。 また八村が、オールアメリカンに選ばれ、ESPNのドラフト中継では元NBAチャンピオンのチャンシー・ビラップス氏が八村を「若きカワイ・レナード」と評したことを紹介した。カワイ・レナード(27、ラプターズ)はスパーズ時代と合わせて2度NBAファイナルMVPを獲得しているスモールフォワードでオフェンス、ディフェンス共に優れている万能プレーヤーとして知られる。このレナードとの比較については、「多くの関係者が八村はNBAの試合へ準備ができていると考えているが、NBAファイナルで2度MVPのレナードと比べるのは少し極端かもしれない」とした。 シェパード暫定代表は「そのような期待で若い選手を扱うのは不公平だと思う。彼らしくやらせよう」と語り、同紙は「暫定代表は八村の成熟度に賛辞を贈っている」と伝えた。 米ヤフースポーツは「ウィザーズの八村がNBAドラフトの1巡目で指名された初の日本人選手となる」との見出しを取って大きく扱った。 「ウィザーズはフロントコート(パワーフォワード&センター)の強化と同時にNBAドラフトの全体9位指名で歴史の一端を築き上げた。ゴンザガ大のフォワード、八村はNBAドラフトの一巡目指名を受けた初の日本選手となり、この40年近くの間でドラフト指名を受けた初の日本選手となった」と伝えた。 記事は「八村自身も、この歴史的な重要度に気づいており、ドラフト会場で日の丸のピンバッチを付け、マリア・テイラー氏の要請を受けてカメラに向かって日本語であいさつした」と紹介。「八村は、ジョン・ウォールのアキレス腱断裂とブラッドリー・ビールのトレードの可能性など流動性を見せるウィザーズに加入する。彼は、チームのフロントコート陣の即戦力として好影響を及ぼすに違いない」と、八村の活躍に太鼓判を押した。 また「この指名に興味深さを加えるのは、現在、ゼネラルマネジャーがいないウィザーズが、八村に一度も会ったことがなく、彼についてゴンザガ大の誰とも話したことがないということだ」と、異例のドラフト背景を暴露。 「大胆に八村に飛びついた指名の裏には、早期のチーム再建が必要とされているという事情があるのかもしれない」と続けた。