掛布雅之新OB会長が30日誕生 300万人動員も大型補強に乗り出さぬ球団に「喝」を 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
しかし、それはそれでいいとして、今オフの阪神にまつわる他の話題は地味過ぎませんか。このコラムでは何度も書きましたよ。チームの戦力は退潮気配にある…と。投手陣の防御率こそリーグ優勝した23年の2・66から今季は2・50と向上しましたが、打撃部門ではチーム打率(2割4分7厘→2割4分2厘)も本塁打数(84本→67本)も盗塁数(79→41)も減り、チーム得点数は昨季の555点から485点に70点も減っているのです。
「いくらピッチャーがよくても、打線が点を取ってくれなければ、最終的にはとても持ちこたえられない。今季はそれでも最後の最後まで巨人を苦しめてきたが、逆に言うなら打線がもっと打っていれば連覇の可能性もあった」と阪神OBは話します。そうした今のチーム力を改善する方法は、若い力を伸ばすなど現有戦力の底上げと外部からの戦力補強の両輪ですね。
ところが、オフに入って阪神のドラフト以外の戦力補強を見てみると、DeNAを戦力外となった楠本泰史外野手(29)の獲得と、育成契約で獲得したパナマ出身のジーン・アルナエス内野手(22)が目立つ程度。FA市場への参戦は見送られ、戦力の肉付けは現有戦力のレベルアップの一本道です。
■巨人はFA争奪戦に参戦
他球団も足並みをそろえている?のなら黙っていますが、球団創設90周年だった今季、4年ぶりのリーグ優勝を飾った巨人は、クライマックスシリーズのファイナルでDeNAに敗れると、オフに入るや大型補強に乗り出しました。FA宣言した阪神の4番・大山やソフトバンクの正捕手・甲斐の獲得に向けて調査し、今は争奪戦の渦中にあります。さらにFA権を行使したソフトバンク・石川柊太投手(32)の争奪戦にも参戦しているとみられ、他にも補強の噂が絶えません。
これらの補強作戦がすべて成功するとは限りませんが、来季こそはリーグ連覇で12年以来遠ざかっている日本一の座を奪回するぞ-という意欲がオフの動きから見えてきます。確かにお金で勝利を買うのか、という批判もあるでしょうが、戦力の充実こそが優勝へのマストな条件であるならば、しゃにむに戦力補強に乗り出す姿は評価できますよね。