「車好きの聖地」をどうするつもりなのか…大黒PAに「閉鎖命令」を出すことしかできない首都高と警察の無策
■首都高は「ドリフトへの対応が必要」 ホントに「いたちごっこ」が繰り返されているが、首都高ではこの状況をどのように考えているのか 「これらの行為の詳細な理由までは分かりかねますが、ドリフト行為を見たいという理由での行為であり、フェンスについても所管の鶴見警察署と調整の上設置しております。ドリフト行為については、PA外の一般街路で鶴見警察署の所管であり、状況改善のためには根本的な原因となっているドリフトへの対応が必要と考えます。 ドリフト行為がなくならない以上状況は改善されないと考えるため、今後も鶴見警察署と調整の上、対策を講じていきたいと考えております。」(首都高広報課) ■一番の被害者は「普通のドライバー」である 日本の車好き、世界の車好きが一度は訪れたいと思う大黒PA。筆者も都内で取材の帰りには必ず訪れる。爆音ランボや違法改造のバイク、危険でうるさいドリフトや大型車枠に平気でとめるスーパーカーなどは善良な利用者にとって本当に不快な存在だ。 しかし、警察の対応は「閉鎖命令」を出しまくるのみ。大黒PAを本当に利用したいドライバーが長時間閉鎖で利用できない(閉鎖中でもトイレや充電器の利用は可)のは連帯責任を取らされているのと同じだ。悪いヤツだけに厳しいペナルティを与えて追い出すわけにはいかないのだろうか? ---------- 加藤 久美子(かとう・くみこ) 自動車生活ジャーナリスト 山口県下関市生まれ。大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。95年よりフリー。2000年に自らの妊娠をきっかけに「妊婦のシートベルト着用を推進する会」を立ち上げ、この活動がきっかけで2008年11月「交通の方法に関する教則」(国家公安委員会告示)においてシートベルト教則が改訂された。育児雑誌や自動車メディア、TVのニュース番組などでチャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難・詐欺・横領・交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。 ----------
自動車生活ジャーナリスト 加藤 久美子