大阪・関西万博 来場者運ぶ大阪メトロ400系「ローレル賞」、70年大阪万博の主力と“2ショット”
大阪メトロ・中央線で、2023年に運行を開始した新型車両400系が、優れた鉄道車両に贈られる「ローレル賞」を受賞した。 【画像】ローレル賞受賞!大阪メトロ400系、サプライズ演出も ローレル賞は、全国の鉄道愛好者でつくる鉄道友の会が毎年、その前年に営業運転を始めた新造、改造車両の中から選定する。 ローレル賞受賞は、2018(平成30)年の民営化で大阪メトロとなってから初。 前身の大阪市交通局で1970(昭和45)年に堺筋線の60系、1991(平成3)年に長堀鶴見緑地線(当時は鶴見緑地線)の70系が受賞している。 400系は、2025年4月に開幕する大阪・関西万博の来場者輸送に向けて新造され、2023年6月に運行開始。 次世代車両としての意味合いが強く、民営化後初のフルモデルチェンジとなった。 開幕までに6両編成で1日23本に増便される見込み。 会場の最寄となる「夢洲駅」は、2025年1月19日に開業する。 前面はガラス張りの展望形状で、 LEDの前照灯と尾灯が四隅に配置されている。宇宙船を意識させる未来的デザインを採用。 車両内部には、▼大阪メトロとしては初となる、進行方向に向かって着席できるクロスシート車両(1編成につき1両)、▼ワイド液晶ディスプレイによる4か国語(日本語、英語、中国語、韓国・朝鮮語)での運行案内、▼携帯電話を充電できるモバイル用電源(USB)付カウンター(先頭車両)、▼車内Wi-Fi ▼非常時に乗務員室で確認が可能な車内防犯カメラ、▼全車両への空気浄化装置をそれぞれ設置した。 今後、自動運転の実証実験(大阪港~夢洲間 )も予定されている。 受賞を記念し、大阪メトロ緑木操車場では20日、1970年大阪万博で堺筋線(阪急千里線との相互乗り入れ)の主力車両として活躍した60系(現在は運行していない)と並んで展示された。 400系が選ばれた理由として、 ▼未来への路線と位置づけ、宇宙船を意識させる外観デザイン ▼座り心地を向上させるため、背ずりの高さを在来車と比べて高くした座席シート のほか、 ▼また、1編成に1両、1人掛けの固定クロスシートを3席ずつ設け、パーソナルスペースを確保 ▼先頭車にUSBコンセントを設置したカウンターを配置 ▼今後予定されている自動運転実証実験に向けた先進性 などが挙げられる。 鉄道友の会・佐伯洋会長は、「中央線は大阪市内を横断する重要路線。東は(近鉄と乗り入れて)奈良の生駒方面へ、西は大阪・関西万博会場の夢洲へつながる。大きなインパクトであり、斬新なデザインの400系導入が起爆剤となる」と話した。 河井英明・大阪メトロ代表取締役社長は、「大阪・関西万博会場の夢洲に唯一乗り入れる鉄道がメトロ中央線。400系は万博を強く意識し、宇宙船をイメージした外観デザインのこだわりと、乗客が快適に過ごせる設備のこだわりがある。ローレル賞受賞が万博への機運醸成になると信じている」と話した。 河井社長はまた、今後の取り組みとして、「オンデマンドバス(乗客の要望に応じたサービスの提供)や自動運転など、万博を契機に大阪の交通サービスを変革し、万博閉幕後にレガシーとして社会実装していきたい」と抱負を語った。
ラジオ関西