仕事のデキる人はやっている、「なるほど」の後にちょい足しするひと言とは?
「相づちはやりすぎてもうるさくなってしまうので、相手が真剣に話している時は、話を遮らないように頷くだけでも良いと思います。その際、話に沿ってリアクションで面白さや驚きが表現されていれば、相手も気持ちよく話し続けられますよね。会話の流れに沿って驚いたり、笑顔になったりと表情で反応することも、対話では重要な相づちだと言えます」 とはいえ、ただ感じ良く相づちを打つだけでは、なかなか会話は深まらない。相手の話には次の会話に繋がるヒントが詰まっているため、聞き手は相づちを打ちながら、そのサインを見逃さないようにする必要があると木場氏は言う。 「聞くという行為は一見すると受け身ですが、聞く方にも攻めの意識があることが大切です。会話には相手が深掘りしてほしいポイントが必ず何点かあって、そういうときは『もっと聞いてほしい』と目を合わせてきたり、リアクションを待つ間が生まれたりします。そこは、相づちでさらっと流さず、『それってどういうことですか』と突っ込んでみると、意外な答えが返ってきたり、想定外の話が聞けたりする。逆にどうでもいい話や触れて欲しくない話題は視線を外すので、そこは突っ込まなくてもいいという合図だと判断しましょう」 深掘りすべきポイントとすべきではないポイントを見極めるためには、事前に相手のことや会社の情報をしっかり調べておく下準備が必要だ。 「下準備をしておかないと、相手にとっては不要なところを無駄に膨らませてしまったり、不快な質問をしてしまう恐れがあります。そうなると『この人は何も調べてきていないんだな』と相手は言葉少なになって、対話が一問一答のような形になり、盛り下がってしまう。逆に事前にしっかり下準備をしておけば、話の中でどこを膨らませるべきか、どこを相手が深掘りしてほしいと思っているかが自然と見えてくるものです」 ● 落合博満氏から教わった 会話の「下準備」の重要性 よい聞き手になるためには、こうした臨機応変な状況判断と下調べが必要なのだ。これまで多くの芸能人やスポーツ選手を取材してきた木場氏だが、なかでも落合博満監督を取材した際には下準備の重要性を痛感したという。 「監督時代、落合さんは野球の知識を持っていない記者の質問には、お答えにならなかった。生半可な知識で取材しても『勉強してこい』と追い返されてしまう。そういう中で、ある日突然沖縄キャンプで10分間、対談することになって、どうしようと青ざめました。