藤川球児監督、佐藤輝明に太鼓判 安芸C最終日に感じたリーダーの姿勢、オフも「ほうっておいても大丈夫」
阪神は17日、高知・安芸市での秋季キャンプを打ち上げた。新指揮官として地元に凱旋した藤川球児監督(44)は、大きな変化が表れた佐藤輝明内野手(25)の取り組む姿勢を絶賛。ナインが野球へ没頭した鍛錬の秋を振り返り、2025年2月の春季キャンプでの再会を待ち望んだ。 快晴のグラウンドで輪になる。その中心には佐藤輝がいた。監督として初めての安芸キャンプ。藤川監督は大きく成長したナインを見つめ、目を細めた。 「すごくいい秋季キャンプが送れたと思う。チームの強みでもあり、課題でもある次世代と現有戦力トップのかみ合わせというところでは来年の春に向けて少し準備はできた」 「没頭」をテーマに掲げた秋季キャンプ。少しでも姿勢に不満を感じれば、鳴尾浜への〝強制送還〟を辞さない構えを見せていた。5勤1休のハードな日程。その中で、ナインは満足のいく取り組みを示してくれた。そして、その中心にいたのが佐藤輝だった。 「(秋季練習)初日は甲子園でストレッチも自由にやっていたんですけど、(秋季キャンプ)最終日は完全に、佐藤選手が真ん中で、それをみんなが見るようなウオーミングアップの形になっていた」 このキャンプでは若手の手本になるようにと期待した。佐藤輝自身も「見られてもいいように、やっていたつもりです」と首脳陣、後輩たちの視線を意識していた。高知に詰めかけた計3万2250人のファンが一番に歓声をあげたのも佐藤輝だった。自然と中心選手としての自覚は強くなる。指揮官は言う。 「誰がこれだけ高知に来たファンの方を喜ばせているか。相手はそういうリーダーをへし折りに来る。責任を背負うというのはそういうこと」 虎の看板選手として、佐藤輝が先頭に立って姿勢を見せ続けた17日間。ノーステップ気味の打撃フォームは洗練され、打撃練習では平均的に打球速度170キロをマークした。課題の守備。個別特守は9日間も敢行。ユニホームはいつも泥だらけだった。3度の紅白戦では打率・500と結果も残した。プロ4年目で初めて秋季キャンプを完走。「本当にいい練習ができたと思う。よかった」と手応えはある。これから始まるオフシーズン。藤川監督は最大限の信頼を口にする。 「オフの取り組みもチーム全体を見た上での取り組みをすると思いますから、ほうっておいても大丈夫だと思います」
背中で見せたリーダーの自覚-。覇権奪還を目指す藤川阪神の中心には佐藤輝がいる。(原田遼太郎)