すべてはリヤビューから始まった! クラウンスポーツの「トヨタ車としては珍しい造形」をデザイン担当者に直撃した
話題のクラウン第2弾のこだわりポイントとは
新型クラウンシリーズの第2弾として10月6日に発表されたスポーツ。乗り込んだ瞬間から高揚感が高まるとされるエモーショナルな佇まいが話題ですが、そのスタイリングはどのように生まれたのか? 今回はデザイン部でシリーズを統括された宮崎さんと、エクステリアを担当した小出さんに話を聞いてみました。 【写真】クラウンスポーツのそのほかの画像 1枚のスケッチから始まったデザイン開発 ──では始めに。スポーツはシリーズの第2弾ですが、4台のシリーズのデザイン開発は一括で行われたのでしょうか? また、共通のデザインテーマはあったのですか? 「そうですね。細かく言えば統括(宮崎氏)の下に4つのチームがありましたが、インテリアを含め常にデザイナーの交流がありましたから、実際には一括といえると思います。テーマについては、先行したクロスオーバーの際に、欧州車に対抗するべく全体をカタマリで見せるシンプルさや、ハンマーヘッドのフロントフェイスなどが挙げられました」 ──では、スポーツとしてのデザインコンセプトは設けたのでしょうか? 「じつは、スポーツのデザインはデザイン開発初期に提案されたリヤビューのスケッチから始まったんです。非常に完成度の高い絵で、もうこれで行こうと(笑)。具体的には、新しいスポーツSUVとして短いホイールベースで俊敏さを感じさせ、ひと目で高揚感が高まるスタイルですね」 ──パッケージでは、クロスオーバーに対し全長、ホイールベースと前後オーバーハングが短くなっている一方、全幅と全高は増えていますね。 「全長については、やはりアジャイルなクルマとして運転席に比重を置いた結果ですね。オーバーハングはもちろんタイヤをできるだけ四隅に置きたかった。全幅はベース車があるので本来もっとナローにしなくてはいけないところでしたが(笑)、存在感を高めるために生産部と調整をして40mm広げさせてもらいました」 ──フロントはシリーズ共通のハンマーヘッドを採用していますが、スポーツ独自の特徴はどこにありますか? 「スポーツでは、フロントタイヤの中心くらいから前に向けてフードを下げているんですね。そのフロント全体の動感、大きな流れのなかにハンマーヘッドを収めたのが特徴と言えます。また、ロアグリルはクロスオーバーと同じ格子状ですが、スポーツはPHEVとして実際の開口部が必要なので、格子と穴の表現を工夫しています」