若月佑美が明かす、人生がガラリと変わった先輩からの言葉 “プロデュース業”への意欲も
■朝ドラ『おむすび』では橋本環奈と久々の共演 ーー現在放送中の朝ドラ『おむすび』(NHK総合)にも出演されているんですよね。 若月:わたしが出るのは糸島編で、もうすでに撮り終わっているんです。朝ドラは、祖母がいつも観ているのを知っていたので、ずっと憧れていました。いつもみたいに、わたしから「観てね」と言うのではなく、もともと祖母が観ているものに自分が入っていけるのが、すごく新鮮というか、嬉しかったです。 ーープライベートでも仲の良い橋本環奈さんとも久しぶりの共演ですね。 若月:めちゃくちゃ嬉しかったです。わたしにとっての初めての朝ドラが、かんちゃん(橋本環奈)主演作というのは、すごいご縁だなと感じています。 ーー撮影はいかがでしたか? 若月:とても楽しかったです。ずっと笑ってました(笑)。わたしが演じるのは、かんちゃんが在籍する書道部の顧問なので、撮影現場に現役の高校生の方たちもたくさんいて。若いパワーをたくさんもらえて、ありがたかったです。その子たちが、わたしのことを「環奈ちゃんと同い年くらいだと思ってた」と言ってくれたので、「やったー!」ってひとりで盛り上がったりして(笑)。すごくウキウキしちゃいました。 ■人生を変えるきっかけとなった“言葉” ーー若月さんはグループを卒業されてからも、途切れることなくさまざまな作品に出演されていますよね。 若月:本当に幸せなことです。グループを卒業して、ひとりになっても選んでもらえているのって、奇跡だなって。ただ、わたしも年齢を重ねて、年下の方たちとの共演が増えているので、これからは助けになるような存在を目指していかなければならないなと思っています。待ち時間に他愛のない会話をしたり、プライベートでご飯に行って話を聞くとか。自分がこれまで先輩方にしてもらって嬉しかったことを、今度は後輩たちにしてあげたいです。 ーー若月さんも過去に先輩方に相談されたりしていたんですか? 若月:はい。グループ時代は、外部の方と関わる機会があまりなかったんですけど、卒業後はいろいろな先輩方に話を聞いてもらっていました。たとえば、先ほどもお話しした羊さんとか。あとは、福田雄一監督と安田顕さんにも、人生がガラリと変わるほどありがたい言葉をかけていただいたり。 ーーどのような言葉をかけてもらったんですか? 若月:グループにいたころって、「売れてますね」と言っていただけることが多かったんです。でもそれって、グループの勢いがあるだけで、個人として何かできているわけではないんですよね。ずっと、グループのおかげで、ファンの方が見てくれているんだという意識が消えることがなくて。でも、「そんなことないです」と返すのは違うから、「ありがとうございます」と笑うしかない自分がいて。なので、安田さんに「若月には、売れてほしいんだよ」と言われたとき、すごくスッキリしたんです。「そうなんですよ! わたし、まだ全然売れてないんですよ!」って。 ーー素敵な言葉ですね。 若月:福田さんは、有言実行してくれるところがありがたいです。「また今度、ご一緒しましょう」と言うだけで終わってしまうことって、よくあるじゃないですか。でも、福田さんは言ったという事実を、絶対に忘れない。「次、やるって言ったから、やるよ!」と言われたとき、なんだか心が救われたんですよね。あと、わたしはアイドル時代「真面目」って言われることが多かったんです。 ーーたしかにそういうイメージがありました。 若月:ですよね。でも、自分のなかではそんなふうに思っていなくて。もしかしたら、周りに天然だと言われる人が自覚ないのと同じなのかもしれないけど(笑)。真面目がゆえに、真面目で悩んでいたことがあったんです。 ーーそんなことがあったんですね。 若月:「真面目だから、何を言っても面白くないんじゃないか?」とか、「優等生発言をしてしまっているんじゃないか?」とか。あとは、「“真面目”って“堅苦しい”って意味なんじゃないか?」と思ってしまったこともありました。でも、福田さんとコメディ作品でご一緒したときに、「真面目は武器だよ」と言ってもらって。 ーーそれは刺さりますね。 若月:かなり刺さりました。「真面目にバカをやるから、お客さんが笑えるんだ。何も考えずにバカなことをやると、意図が伝わらないから、笑いが起きない。でも、真面目人間が、真面目にバカをやろうとすると、それがまっすぐに伝わってお客さんが笑うんだ」って。そう言われたときに、わたしはこのままでいいんだと思えたんです。なので、福田さんにはすごく感謝しています。 ーーこれから舞台の本番を迎えることになりますが、舞台を終えたあとの今後の展望があれば教えてください。 若月:ずっと憧れているのがプロデュース業です。人の役に立ちたいという気持ちが強くて。プライベートでも、自分が助言したことで、その人がいい方向にいっているのを見たりするのが好きで。あと、憧れの人がいて……。 ーー“憧れの人”ですか? 若月:はい。“スーパー演助”という舞台の演出助手の方に出会ったのですがその方が本当にすごいんです。気配りができて、その方がいるだけで円滑に物事が進んでいく。わたしは演出家や監督などには向いていないと思うので、その方のように、誰かの隣でそっと背中を支えられるような人間になりたいという夢もあります。あとは、おしゃべりが好きなので、またラジオができたらいいなと思っています。
リアルサウンド編集部