柔道金メダリスト 出口クリスタ選手が語る 子宮頸がんの怖さと予防の大切さ 「みんな子宮頸がんのワクチンと検診は受けような」 SNSでの発信がもたらした影響【長野】
パリオリンピック柔道女子金メダリスト、塩尻市出身の出口クリスタ選手。 実はSNSで子宮頸がんのワクチン接種と検診を呼び掛けています。その理由と思いを聞きました。 今年7月、パリオリンピック柔道女子57キロ級で金メダルを獲得した塩尻市出身の出口クリスタ選手。苦しみながらも最後まで戦い抜いた姿は多くの人たちに勇気を与えました。 オリンピックのおよそ3カ月前。出口選手はSNSで「ある呼び掛け」をしていました。 「みんな子宮頸がんのワクチンと検診は受けような。筋肉との約束だぜ」 「自分の体は自分でしか守れないから」 子宮頸がんは、ワクチンを接種することで予防ができると言われています。 その接種と検診を呼びかける突然のメッセージ。一体、何があったのでしょうか? ■出口クリスタ選手 「自分自身が去年の夏、子宮頸がんの『高度異形成』の一歩手前と結果を受けて、今後の選手生命どうなるんだろうという不安があって、それを発信しようということでSNSに載せた」 子宮頸がんは子宮の入口に近い部分にできるがんです。年間1万人以上が罹患し、およそ2900人が亡くなっています。 性交渉などでヒトパピローマウイルスに感染することで発症し「高度異形成」と呼ばれる段階を経てがんへ進行します。 ■大槻瞳アナウンサー 「聞いた時はどう思いましたか?」 ■出口クリスタ選手 「頭が真っ白になったと言うか、(まだ高度異形成の一歩手前だから)今すぐ手術が必要っていうわけではないんですけど、ばく然とした不安で病室で泣いたのを覚えているんですけど…怖かったですね」 診断を受けたのはパリオリンピックを翌年に控えた大事な時でした。 はじめは親しい人にしか自分の状況を話せなかったという出口選手。 今年4月にSNSで発信したところ、大きな反響がありました。 ■出口クリスタ選手 SNS載せたことによって、大学の後輩とかも「先輩の投稿を見て(検診)行きました」っていう子がいたり発信してよかった」 HPVワクチンの定期接種は2013年4月、小学6年生から高校1年生相当の女性を対象に始まりました。 しかし、接種後に体の痛みなど副反応を訴える人が相次ぎ、厚生労働省は積極的な接種の勧奨を中止。 その後「接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回る」として、2022年4月に勧奨を再開しました。 ■出口クリスタ選手 「受けられるものは全部なるべく受けてもらって、ならないように予防してもらうことが一番大事だと思うので、なるべく忙しい人でも、少しの時間でいいので病院に行って相談したり、検診を受けたりっていうことをしてほしいですね」 長野朝日放送に今年入社した井手春花さん。 9月にHPVワクチンの接種を決めました。 ■井手春花さん 「ちょうど接種対象の年齢の時に、ワクチンの接種が中止されていた時で、今回長野市の方からキャッチアップ接種のお知らせが届いたのがきっかけ」 国がワクチンの接種勧奨を中止していた間に、接種の機会を逃した女性を対象に「キャッチアップ接種」と呼ばれる救済制度が設けられています。 今年度17歳から27歳になる女性が対象で、来年3月末までに接種する分については公費で接種が可能です。 ■井手春花さん 「(高校生の時に)受けたいとは思っていたんですけど、副反応が怖くてそういった面も不安だったので、その時は受けなかった」 接種後に見られる主な副反応として、発熱や接種した部位の痛みや腫れなどが挙げられます。接種との因果関係ははっきりしていませんが、まれに重い症状になるケースも報告されています。 「チクッとしますね」 ■井手さん 「あっという間でした。気づいたら終わってた。普通の注射と同じで、刺した時はチクッと」 ■みすずレディースクリニック・林卓也 院長 「確実な検診、早期発見とワクチンで、かなりの確率で予防可能ながんですので、子宮頸がんワクチンとがん検診を組み合わせて、ぜひ予防していただきたいと思います ■出口クリスタ選手 「子宮頸がんは死亡率が高いにも関わらず、あまり認知されていないのが現状だと思うので、いろんな人にまず知ってもらうということと、感染経緯だったりとかそういう部分をもっと知ってもらって、目指せ『ゼロ』、病気『ゼロ』」
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