23歳のときに事故で左半身麻痺に 「夢は車いすの卒業」事故後の心境の変化、SNSでの発信について本人に聞いた
ある日突然、今までできていたことができなくなったら、あなたはどんな気持ちになるでしょうか。今回紹介するのは、事故により左半身麻痺になったえまさん(Instagram:emachan3)。 事故にあってからは生活が一変したえまさんは、リハビリの様子やその後の生活をSNSで発信しています。今回は当時の様子や、SNSで発信する理由について聞きました。 【写真】入院中のえまさん(emachan3さんより提供)
早く、よくなりたい
えまさんが事故にあったのは2020年。事故の後のえまさんは脳の損傷と全身骨折で生死を彷徨い、ICUに1ヶ月ほどいました。 意識が戻ってからも、意思疎通がとれず、立つことも、座ることもできない。さらに寝返りを打つこともできない状態。その頃の記憶はほとんどないそうです。 えまさんは早くよくなりたい一心で、緊急病院に入院中の2ヶ月間は簡単なリハビリを1日1時間こなしていたそう。 それ以外の時間でも、1人でベッドの上でストレッチをしていました。 リハビリ病院に転院後は理学療法、作業療法、言語聴覚のリハビリを、5ヶ月間の間は毎日3時間ほど行っていました。 宿題として出された自主トレーニングは、出された3倍の量を毎日やっていたとのこと。とても頑張り屋さんなのが伝わってきます。 「早くよくなりたくて、とにかく目の前のことに必死でした。大変だったことは思い出せないです」と、えまさんは当時のことを話してくれました。
応援してくれている人のために頑張りたい
えまさんは、リハビリを通して座る、声を出す、口から食べ物を摂取するなど、いろいろなことができるようになりました。 リハビリの様子や、日常生活についてなどをSNSで発信し始めたえまさん。 始めた理由として「こんな時もあったなぁ、と自分で見返せるように、またリハビリの記録のために投稿を始めました。あとはさぼらないように毎日リハビリするためです!」と最初は自分のために発信を始めたそうです。 投稿を始めてからは、事故後にすべてを失い、社会との繋がりがなくなった自分に居場所ができたと感じたそうです。「今は応援してくれる人のためにも頑張らなきゃ!と、だらけそうになる自分を奮い立たせてくれてます」と気持ちの変化があったそう。 投稿には、胸が熱くなるコメントをたくさんいただくとのこと。 「こんな人もいるんだからもうちょっと頑張ってみようかな、自分の体ももうちょっとよくなるかもしれない!どこかの誰かの支えになれたらいいな、という思いを初期から持っています。再生数やフォロワー数以上に私にとっては嬉しいものです。入院中にたまたま見つけて支えになったなどのコメントをいただけるのは、発信を続けていてよかったなと思う瞬間です。いつもたくさんのコメントに本当に感謝しています」 えまさんはもう1人ではありません。人に勇気を与える存在になっています。 また、事故にあってから人生観ががらりと変わったそうです。 事故に遭う前のえまさんは、世間的に見たら華やかな生活をしていたそう。しかし、何をしても楽しくなく、夢などなく、人生なんてどうでもいいと思っていました。 「事故にあって、当たり前のことが当たり前じゃない。生きていることはこんなに素晴らしいことなんだと知りました。朝目が覚めて起き上がることができてごはんが食べられる、そんな毎日をとても幸せに思っています」 現在は生きていることに対し、日々感謝できるようになったとのこと。
車いすからの卒業
今のえまさんの目標は車いすの卒業。 「何年かかるかわかりませんが、絶対に達成させたいと思っています。その過程、その時その時の心情を発信して私から伝える!というよりは、私の動画を見たどこかの誰かの支えになれたらいいなと思っています」と、誰かの支えになりたい気持ちが強いそうです。 辛いリハビリに耐えてきたえまさん。車いすなしで歩ける日が来るようみなさんでえまさんにパワーを送っていきたいですね。
ほ・とせなNEWS編集部