【函館2歳S】小柄な牝馬が活躍、リンゴアメは馬体重420kgで優勝 世代最初の重賞レースを「記録」で振り返る
最軽量420kgで勝利した牝馬リンゴアメ
上述したアリアやハートオブクィーンはいずれも牝馬である。函館2歳Sは牝馬が強いレース。馬券圏内にきた数も牡馬が34頭、牝馬は35頭と牝馬優勢。勝ち馬も牡馬11頭、牝馬12頭と牝馬が優勢である。 牡馬では2019年勝ち馬のビアンフェが最重量510kg、2005年勝ち馬のモエレジーニアスが506kgと大型馬の活躍が目立つ。ビアンフェは4歳で同じく函館芝1200mの函館スプリントSを制したが、そのときの馬体重は560kgだった。 一方、牝馬は小柄な馬の活躍が多い。歴代勝ち馬23頭のうち、450kg以下の勝ち馬7頭中6頭が牝馬である。馬体重が軽い歴代勝ち馬を並べると、3位が2015年勝ち馬ブランボヌール432kg、2位が2013年勝ち馬クリスマス426kg、2020年勝ち馬リンゴアメ420kgとなる。 ブランボヌールは母が2008年の函館2歳Sで6着のルシュクルという血統馬。阪神JFで3着など存在感を示すと、春GⅠでは振るわなかったものの、3歳でキーンランドCを制するなど活躍した。 クリスマスも函館スプリントSやオーシャンSで3着に入るなど活躍。リンゴアメはこのレース勝利後は1着こそなかったが、引退直前にも1200mのOP競走であるオパールS、タンザナイトSで連続5着など好走を続けた。ちなみに、ラストランとなった4歳年末のタンザナイトS出走時の馬体重は464kg。大幅な成長を遂げていた。 今年の出走馬も将来に大きな成長の可能性を秘めている。いつか函館に凱旋して重賞で活躍してくれることに期待しつつ、その走りを見守りたい。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん