「服のリサイクル」のテーマパーク型店舗 オープン1年の手応えを聞く
店舗コンセプトに賛同するアパレル企業
木更津コンセプトストアの仕掛け人である三井不動産・商業施設本部長補の佐野川靖氏は、コロナ禍に商業施設が休業を強いられ、衣料品の在庫問題が浮上する状況に背中を押されたという。「ファッションと環境問題が世界的な注目を集める中、自分たちも何かをしなければと思い、アパレルメーカーに呼びかけた」と振り返る。オープン時に100社だった協力企業は、6月末時点で120社に増えた。「実際に木更津コンセプトストアを見ていただくと、こんな面白い店なら協力したいとの申し出が相次いだ」
集めた商品を売るだけの店ではない。古着の繊維を発酵させた肥料で野菜を作ったり、古着から再生紙を作ったり、最新のリサイクル技術を紹介する。リサイクルのスタートアップ企業が自社の技術をアピールする場としても機能する。小学校や中学校の社会見学のコースや企業のサステナブル研修の場としても活用される。家族連れが気軽に参加できるようなワークショップも定期的に開く。
佐野川氏は「木更津コンセプトストアにとってサステナブルは大切なテーマだが、それ以上にまずは楽しい体験ができる空間にしたい。余剰在庫と呼ばれる服にもきらりと光る価値があるし、最先端のリサイクルを知ればワクワクする」と述べる。認知度を高めるべく、新しい店内イベントに知恵を絞る。