労力のムダ遣いを防ぐから仕事が速くなる。「アクションメソッド」活用術
込み入ったプロジェクトを前にして、どこから手をつけたものか途方に暮れた経験はありませんか? そんなときは、やることをなんでもプロジェクトとみなす「アクションメソッド」という生産性向上の技を活用してみましょう。 家の掃除から会議でのプレゼン、手つかずのメールの返信まで、なんでも「プロジェクト」にしてしまうのです。 発想の転換をすることで、完了すべきタスクすべてに枠組みを持たせ、雑然とした状態のなかで労力をムダにしないようにするのが目的です。 今回は、プロジェクトに対する考え方をアップデートするメリットと、アクションメソッドを上手く活用するやり方についてご紹介します。
アクションメソッドとは?
前述の通り、アクションメソッドの目的は、日々のタスクや長期的な目標を整理し、さらにそれらを実行可能な手順に落とし込むことで生産性を高め、より効果的に仕事が進められるようにすることです。 この手法の基本的なフレームワークは、スコット・ベルスキー氏が彼の著書『Making Ideas Happen - Overcoming the Obstacles Between Vision and Reality(アイデアを実現する - ビジョンと現実の乖離を克服するには)』(2010年) のなかで提唱しています。 アクションメソッドは、非効率で合理化されておらず、雑多な決まりごとに悩まされているクリエイター業に就く人たちをサポートするためにビハンス(Behance)の共同設立者であるベルスキー氏が編み出したもの。 このメソッドには、アイデアを整理するだけではなく、それらを実現するための行動計画を立てる意図があります。
アクションメソッドはどう使えばいい?
アクションメソッドの「アクション」を用いる前に、プロジェクトをアクションステップ、参考資料、後回しの3つのカテゴリーに分類します。 1つのやり方として、各カテゴリーに対応する列を3列スプレッドシートで作成し、さらにプロジェクトごとにタブを1枚ずつ作成します。 アクションステップ プレゼンの準備やリビングの掃除などを完了するまでの各手順のように、「やり終えなければならない具体的なタスク」「行動を伴うタスク」のことです。 参考資料 背景に関する記事や、するべきことの詳細が書かれたメール、参考にしようと思っているチュートリアルなど、タスク完了に必要な追加情報です。資料へのリンクはここに貼りましょう。 後回し より漠然とした大きな目標で今すぐ達成する必要のないものは、アクションアイテムとしてに「後回し」に追加しましょう。たとえば、アクションステップとして挙げたプレゼンの目的が新規顧客を1件獲得することだとしたら、「後回し」には「年内に10件新規顧客を獲得すること」が挙げられるかもしれません。家中を大掃除する、きれいに保つ、なども「後回し」項目になるでしょう。 紙の手帳で管理する方法を好むかたは、PCを使わずにこのメソッドを活用してもかまいません。ただし、毎日見ることで行動を起こすモチベーションにつなげて、どんどんアクション・アイテムを完遂していけるようなら、スプレッドシートで事足りるでしょう。 タスクを完了しながら、さらにタブを追加してもいいですし、あるいは、すでにあるタブの目標に関連する参考資料や後回しの項目を追加するのもいいでしょう。 いずれにしても、実行可能なタスクの進捗状況をコンスタントに確認し、すぐに取りかかっていくことが重要です。 目の前のタスクが大きな目標にどう結びつくかがスプレッドシートで見える化されるので、やる気にもつながります。 注意すべきデメリットも リストにあるタスクを完了するために今すぐしなければならないことと、より大きな目標への道筋の両方を示してくれるのが、このシステムのメリットです。 ただし、プロジェクト間の優先順位付けには役に立たないというデメリットも。 このデメリットを解消するために、ABCメソッドやフォースターのコミットメント・インベントリーのような優先順位付けのテクニックを活用し、どのプロジェクトや手順にまず取るかかるべきかを判断しましょう。 ──2023年8月31日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 訳:永木久美 Source: Amazon, Action Method, Behance
ライフハッカー・ジャパン編集部