新iPad Pro&iPad Airはどっちが買い? 薄さ・重さ比較やベンチマークで見えてきた「M4の性能」
「高価だが魅惑的」 新しい「iPad Pro(M4)」を使ってすぐにそう感じた。 一方で、同時に発売される「iPad Air(M2)」は、高価格になったProの購入に二の足を踏む人々にとって、より重要なものになった。 【全画像をみる】新iPad Pro&iPad Airはどっちが買い? 薄さ・重さ比較やベンチマークで見えてきた「M4の性能」 13インチ版iPad Pro(M4、1TB版)と、11インチ版iPad Air(M2、512GB版)の評価機材でのテストを通じて、2つの新機種の価値を探ってみよう。
びっくりするほど薄くなった新iPad Pro
今回の新製品発表でも、ユーザーの視線はiPad Pro(M4)に集中している。 有機EL(OLED)ディスプレイを採用して高画質化と大幅な薄型・軽量化を実現した、という分かりやすい要素が多いからだろう。 数字で言えば、2022年発売の「12.9インチ版iPad Pro(第6世代)」と最新機種の間では、厚さで1.3mm、重量で102g(ともにWi-Fi+Cellularモデル)の差がある。 数字だけだとピンと来ないかもしれないが、持ってみれば違いは歴然だ。 筆者は2022年版とプロセッサー以外がほぼ同じ仕様である2021年版を所有し、ほぼ毎日使っている。 写真で撮って比べてみても、びっくりするくらいはっきりとした違いが出る。 M4版の場合、太めのUSB Type-C(もしくはThunderbolt4)ケーブルをつなぐと「本体よりケーブルのコネクタの方が太い」こともあるくらいだ。 かといって強度に不安があるわけでもない。かなり頑丈に作られていて、手で持っても「折れそう」という感じはしない。 一方でiPad Airの方は、サイズ面で大きな変化はない。 iPad Pro(M4)の薄型化はOLEDの採用による部分が大きく、従来と同様の液晶ディスプレイを採用しているiPad Airでは差が出てこないのだ。
HDRで効いてくるタンデムOLEDの実力
OLEDの採用は画質面でも有利に働く。 次の画像は、左にM4版、右に2021年版を並べて撮影したものだ。 2021年版(12.9インチモデル)はバックライトにミニLEDを採用した液晶を使っており、輝度・コントラストともに良好な製品となっている。 だが、OLEDを2枚使った「タンデムOLED」採用のM4版は、平均輝度がより高く、発色・コントラストともに優れている こうした違いは主にHDRの画像・映像を扱うときのもので、ウェブや電子書籍の閲覧ではそこまで差が出ない。 だが、昨今の映像配信はHDRに対応しているし、iPhoneやハイエンドデジカメでもHDR対応の写真・動画は扱える。それらを利用する場合、タンデムOLEDによる「薄さと輝度の両立」は、大きな価値を持ってくる。