蓮舫氏インタビュー<文句ばかり><裏金は都知事選に関係ない><都政をどうする?>批判にすべて答える
〈自民党の裏金問題があって、野党がわーっと言うけど、文句しか言っていないみたいなのが、もううんざり。都知事選でもそうなるのか。蓮舫さんが出馬することで国政と同じ構図になるのでは〉 【写真あり】街頭演説のあと、笑顔で歩く蓮舫氏 6月2日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)でそう語ったのは、タレントの真鍋かをり氏だ。 東京都知事選(6月20日告示/7月7日投開票)への出馬を表明している参議院議員の蓮舫氏(54)はこれをどう捉えたのか。本人に聞いた。 「まず、『文句しか言っていない』『うんざり』という点についてですが、真鍋さんが、私の参議院の80分の質問を一回でも、きちんと見たうえでそうとおっしゃるのであれば、それは彼女の感想です。 しかし、きちんと見もせず、ただ周囲に流されて、あるいはご自身の立ち位置を守るために、『うんざり』と公共の電波を使っておっしゃったのであれば、それは非常に残念です。 なぜなら私は、人生をかけて国の財政ーー税金が何に使われているかーーを、真剣に追いかけてきました。そして国会で質問することで、税金の使途も変えてきました。ですから、真鍋さんの発言を聞いて『政治は変わらない』と諦めてしまう人たちもいるとしたら、それは非常に残念です」 蓮舫氏はこれまでも<批判ばかり>というレッテルと戦ってきた。だが、国会での質疑を通じて、行政をよい方向に進めてきたという自負がある。 昨年の国会でも、蓮舫氏らの質疑によって、“基金”の見直しが進んでいる。この点について、阿佐ヶ谷で6月9日に行われた街頭演説で、辻元清美参議院議員(立憲民主党)はこう指摘した。 「予算委員会で、蓮舫は“基金”の問題に切り込みました。その結果、政府は200の基金を全部見直さざるを得なくなったんです。蓮舫のたった30分ぐらいの質問で、200もある基金の全部が点検になったんです」 基金とは、複数年度にわたる政策事業に対し積み立てるもの。しかし、一度基金が積まれると、国会の審議が必要なく各省庁の裁量で使用できるため、無駄が多いことが問題となっていた。 国会で、蓮舫氏はじめ複数の野党議員が指摘したことによって、現在、政府は15事業の廃止を決め、無駄な基金の国庫返納を進んでいる。 ■「直近の選挙結果が政治資金改革の後押しになる」 では、「国政と都政」の関係についてはどうだろう。元大阪府知事の橋下徹氏は、前出の真鍋氏の発言にかぶせるように、Xでこうコメントしている。 〈自民党の裏金問題や政治と金の改革問題も最悪。だけどこれは国政選挙で国民が審判を下すべきもの。都知事が誰になってもこの点の改革はできない。そこをごっちゃにして、蓮舫さんが都知事になれば政治と金の問題は解決できる!と国政を都政に持ち込むと都知事選が意味不明になる〉 しかし、これについても蓮舫氏は、「6月解散がなくなった今、直近の都知事選の結果は、今後の国政ーーそれも“裏金問題”に大きな影響を与える」として、こう続ける。 「2007年に、自民党の大臣や国会議員が、本来、かからないはずの議員会館の光熱費を多額に請求するといった不透明な政治資金が問題になりました。そのとき第一次安倍内閣は、6月の通常国会で、骨抜きの“なんちゃって改革”をしたんです。 でも、その夏の参議院選挙で自民党が大敗したので、その後、与野党で協議をしなおして、要求があれば1円以上の領収書を公開するという法改正ができました。ですから、今回の東京都知事選の結果次第では、骨抜きの政治資金改革ではダメだ、ということを自民党が気づいて、もう一度、本当の改革をせざるをえなくなる。それは歴史が証明しています」 つまり、〈都政と国政はまったく異なる〉とか、〈誰が都知事になっても政治とカネの問題は解決できない〉という認識は、かならずしもそうではないと蓮舫氏は考えている。