令和では「年収1000万円以上で高年収」と言い難い?割合や手取り額など
年収1000万円の人の手取りは750万円~800万円程度
年収は通常、税金や社会保険料などを控除する前の受取額を示すため、実際に使える金額である「手取り」は少なくなります。 手取り額は家族構成や社会保険料などさまざまな要素により異なるため一概には言えませんが、額面年収の75%~80%程度が一つの目安です。 すなわち、年収1000万円の方は750万円~800万円となります。 ボーナスを夏・冬2ヶ月分ずつとすると、ボーナス月以外の手取りはおよそ47万円~50万円です。 こうやって手取り月収に分解してみると、思いのほか余裕がないと感じる方も少なくないでしょう。 たとえば、東京都内の都市部で子どものいる家族では、満足な間取りの賃貸住宅を借りるだけで15万円~20万円程度はかかります。 年収1000万円では、物件選びの選択肢が決して広いとはいえません。 また、日々の生活においても食費や教育費が平均より多かったり、娯楽費・服飾費などで少し贅沢をしたりすると、なかなか貯蓄が貯まっていきません。 年収1000万円は確かに少数派ではありますが、贅沢な暮らしをする上で充分な金額とはいえないでしょう。
給与からは何が控除されている?
給与所得者の額面から控除される代表的なものとして、次の3つを紹介します。 ・社会保険料 ・所得税 ・住民税 ●社会保険料 社会保険料とは、つぎの5つの社会保険の保険料の総称です。 1.健康保険 2.介護保険 3.厚生年金保険 4.雇用保険 5.労災保険 このうち、労災保険以外は雇用者と折半します。 基本的に社会保険料は年収に比例して高くなります。 たとえば厚生年金保険料は標準報酬に応じて上昇していきますが、この標準報酬は「報酬月額」すなわち月収をもとに決まる仕組みです。 年収1000万円で夏・冬ボーナスが2か月分支給されると仮定した場合、月収は62万5000円となります(手取りではなく額面です)。 このときの標準報酬は62万円で、従業員の年金負担額は5万6730円です(企業と折半した前提)。 ●所得税 所得税は、累進課税制度といって、前年の年収が高いほど税率が高くなります。 年収1000万円の場合、195万円の給与所得控除や社会保険料負担などを引くと、上から3番目の330万円~694万9000円に収まるケースが多いと想定されます。 仮に税率20%のゾーンだとすると、翌年の所得税は1000万円×20%-42万7500円=157万2500円です。 年収が高いほど、課税所得と税率の上昇により税金は高くなります。 ●住民税 住民税には所得に応じてかかる所得割と、一部の非課税者を除いて均等にかかる「均等割」があります。 均等割は5000円前後と少額ですが、所得割は前年の月収の10%程度かかります。 もし仮に課税所得が690万円だったとしたら、69万円が所得割部分の年間の住民税となります。 年収が上がっても税率は変わりませんが、翌年の支払金額は多くなります。