今年40歳になる薬剤師です。年収は「600万円」でここ5年間変わっていません。普通でしょうか?
賃金上昇が叫ばれている昨今、薬剤師の年収がどのように変化しているのか気になる方もいらっしゃるでしょう。 医療業界は国家資格を必要とする仕事が多く、医療行為そのものはなくならないため、比較的安定している業界といわれています。 そこで今回は、医療業界のなかから「薬剤師」を例に年収の変化について解説します。ほかの医療職における年収とも比較していますので、医療業界の動向が気になる方はぜひ参考にしてください。
【年代別】薬剤師の年収
まずは薬剤師の年収を見てみましょう。厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト jobtag」によると、薬剤師の平均年収は583万4000円とのことです。年代別の平均年収を表1にまとめました。
※厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「薬剤師」を基に筆者作成 50~54歳と30~34歳を比較すると、その差は101万4700円です。つまり、薬剤師の年収は20年間で100万円以上増加するのが平均であり、1年あたりだと約5万円ずつ増えていくと考えられます。
ほかの職種との年収比較
薬剤師の年収が分かったところで、年代別による年収の変動は、ほかの職種と違いがあるのかを見てみましょう。今回は、保育士・システムエンジニア(業務用システム)を例に比較しました。 それぞれの職種における「30~34歳」「40~44歳」「50~54歳」の年収を、表2にまとめました。
※厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「保育士」「システムエンジニア(業務用システム)」「薬剤師」を基に筆者作成 30代前半と50代前半における平均年収の差を比較すると、以下の通りです。 ・保育士:48万3500円 ・システムエンジニア(業務用システム):183万4800円 ・薬剤師:101万4700円 上記から、職種によって年収の伸びに差があることが分かります。システムエンジニアは30代前半と50代前半で180万円以上も上昇していることに対し、保育士は50万円程度、薬剤師は100万円程度です。 ただし、職種だけでなく、勤め先や勤務状況、業務内容によっても年収は大きく異なるので注意が必要です。年収が上がりにくいと感じるのであれば、資格を取得したり転職したりするのも選択肢の一つといえるでしょう。
薬剤師は年齢が上がるほど年収は高くなる傾向にある
今回の結果より、薬剤師は30代前半から50代前半にかけて、約100万円年収が上がることが分かりました。ただし、先述の通り、勤務先や業務内容などによっても年収は大きく変動します。 今の年収に不満がある方や、年収が上がりにくいと感じている方は、資格の取得や転職などを検討してみましょう。 出典 厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag ・薬剤師 ・保育士 ・システムエンジニア(業務用システム) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部