フィデリティ不動産戦略、環境リノベで「逆風」に挑む-大手損保出資
環境特化は珍しい
こうしたファンドは、国内市場では珍しい。資産運用コンサルティングなどを手がけるラッセル・インベストメントの藤井春登プライベート・マーケッツ・スペシャリストによると、機関投資家向けの不動産投資戦略で環境対応に特化した戦略は「ほとんどない」という。
ただ「環境性能を含め最新の状態にしている物件の方がテナントからの人気も高い」とし、保有物件の環境性能を向上させる取り組みは、環境に特化した戦略に限らず、さまざまな不動産に投資するファンドで行われていると指摘する。
欧州では建物の脱炭素を促す欧州連合(EU)の規制に絡み、環境に配慮した改修に資金を投じない資産の価値が低下するとの見方も出ており、環境関連の改修への注目が高まる可能性がある。
もっとも、グリーンか否かを論じる以前に、日本の投資家の間で不動産ファンド全般への投資意欲は後退している。同じ実物資産への投資では、「不動産ファンドよりもインフラファンドに関心を持つ年金顧客が増えている」とラッセルの藤井氏は指摘した。
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Satoshi Shizume