米コロンビア大学、オンライン授業に移行-イスラエル抗議デモ激化
(ブルームバーグ): 米名門校コロンビア大学は、数日間にわたるイスラエルへの抗議活動でニューヨークのキャンパスが混乱し、ホワイトハウスや市当局から非難を浴びたことを受け、オンライン授業に移行した。
コロンビア大学のネマト・シャフィク学長は声明を発表し、オンライン授業への移行について、「憎悪を沈静化させ、次のステップを検討する機会をわれわれ全員に与えるためだ」と説明。学部長や大学管理者、教職員から成る作業部会が、抗議活動参加者との話し合いなどを通じ、今後数日のうちに危機解決を目指していく方針を示した。
同大学ではキャンパスの芝生で行われた親パレスチナのデモを排除するため警察が呼ばれ、不法侵入容疑で100人余りの学生が18日に逮捕された。デモ参加者は「イスラエルのアパルトヘイト(人種隔離)政策やジェノサイド(大量虐殺)、パレスチナ占領から利益を得る 」投資から撤退するよう大学側に求めている。一方、彼らの言動には反ユダヤ主義的な言論や、ユダヤ人学生を不安にさせる嫌がらせや脅迫が含まれるとの批判もある。
資産家で同大学に寄付を行っているロバート・クラフト氏は22日、大学の指導者らに抗議活動を終わらせるよう要請。「キャンパス内で勢いを増す敵意に満ちた憎悪に深い悲しみを覚える。コロンビア大学が学生や教職員を守れるともはや確信できない。是正措置が講じられるまでは安心して大学を支援できない」と述べた。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによる昨年10月7日のイスラエル奇襲攻撃以降、全米のキャンパスでは、今回のような抗議デモや反対デモが頻発している。ガザ保健省によると、イスラエル軍によるガザへの攻撃で、民間人を中心に約3万4000人のパレスチナ人が死亡した。
コロンビア大学のデモはキャンパスの内外で続いており、エール大学やマサチューセッツ工科大学といった他校での同様の抗議活動にも波及した。エール大学デイリーニュースによると、少なくとも40人のデモ参加者が22日、キャンパス内で警察に不法侵入容疑で逮捕された。