吉田隼人が完全Vで大会4勝目「優勝できてホッとしている」 日本障害者OPゴルフ選手権
ゴルフの第29回日本障害者オープン選手権は12日、福岡県の麻生飯塚GC(グランプリの部=6404ヤード、パー72)で最終ラウンドが行われた。36ホールストロークプレーで競うグランプリの部は、首位から出た吉田隼人(41)が2バーディー、7ボギーの77で回り、通算7オーバーで完全優勝を飾った。 吉田は3連覇した20~22年続く4度目の大会制覇となった。2位に12打差をつける圧勝劇。「優勝できてホッとしたというのが1番です。昨年、残り3ホールで逆転されて悔しい思いをした。スコア的には納得いかないところもたくさんありましたけど、この大会でやっと報われたかなという感じです」と小さくうなずいた。 日本プロゴルフ協会(PGA)のティーチングプロA級の資格を持つ41歳。23歳時のバイク事故により右大腿を切断し義足となった。ゴルフを始めたのは30歳から。ゴルフを始めた友人たちに誘われ、「そこからどはまりした」と振り返る。 今大会の20~22年3連覇をはじめ、障害者ゴルフ界の第一人者。1Wの平均飛距離は290~300ヤードを誇る。よみうりゴルフ倶楽部(東京)の所属プロとしてレッスンなどの傍ら自身も腕を磨き、全米ゴルフ協会(USGA)やR&Aの大会など、海外にも積極参戦する。 今の目標は、世界障害者ゴルフランキングでトップ10に入ることだ。現在は同46位。10位以内に入れば、欧州ツアー(DPワールドツアー)の大会直前に同じ会場で開催される障害者の大会に出場できるという。 「22年にその大会で優勝した選手が、ジョン・ラーム(スペイン)とロリー・マキロイ(英国)の真ん中に立つ3ショットの写真を見たんです。それを見て凄いなと。その可能性があるなら挑戦したい。次世代の子たちにも、目指せるんだと示していきたいんです」 障害者ゴルファーNo.1を決める大会での優勝にも、その余韻にひたることはない。世界ランク浮上をもくろみ、年明け早々にポルトガルへと旅立つ。 ▼日本障害者オープンゴルフ選手権 日本障害者ゴルフ協会(DGA)が主催し、1996年に第1回大会が開催された。今年で29回目。00年の第5回大会から海外選手が参加するようになり、米国、英国、韓国など例年、多くの国から障害者ゴルファーが参加する。今年は公式ハンデ15以下の障害者が出場してJGAルールで競う「グランプリの部」をはじめ、「下肢障害の部」、「車イスの部」、「女子の部」など10部門を開催。来年の第30回大会も福岡・麻生飯塚GCで行われる。