米連邦預金保険公社総裁が辞任へ、職場の問題点巡る報告書受け
(ブルームバーグ): 米連邦預金保険公社(FDIC)のグルーエンバーグ総裁は辞任の意向を固めた。FDICの職場におけるセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)や差別といった問題点が最近の報告書で明るみとなり、政治問題化して議員らから辞任を求める声が上がっていた。
グルーエンバーグ総裁(71)は声明で、「最近の出来事を考慮し、後任が承認されれば、辞任する意向だ」と表明した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の記事をきっかけに、法律事務所クリアリー・ゴットリーブ・スティーン&ハミルトンが依頼を受けて調査を行い、今月7日に報告書を発表していた。
20日には上院銀行委員会のブラウン委員長(民主)が、「根本的な変革」を確実にするにはFDICの新たな指導体制が必要だと指摘した。
ホワイトハウスは、バイデン大統領がグルーエンバーグ総裁の後任候補を速やかに指名する方針であるとし、上院が早期に指名承認を行うよう期待を表明した。
ただ、今年の場合のように、大統領・議会選挙が行われる年は承認が遅れるのが通例だ。
調査では、過去数十年に及ぶ歴代のFDIC総裁の下で職場に問題があったことが示されたが、グルーエンバーグ総裁自身がハラスメントや差別に関与していた事実はなかった。
報告書の発表後、グルーエンバーグ総裁はFDICにおける問題を是正すると約束するとともに、職員に繰り返し謝罪していた。
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原題:FDIC Chair Says He’ll Leave Job After Toxic Workplace Report (2)(抜粋)
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Katanga Johnson