「ドイツ流」のシンプルとコダワリ アウディA1(初代) UK中古車ガイド 小さなゴルフ GTI
ドイツ流のモノづくりに対するコダワリ
ゴテゴテに盛ったマキシマリズムより、シンプルなミニマリズムの方が、時間が経過しても古くは見えにくい。初代アウディA1のデザインは、まさにその言葉通り。何しろ登場から14年が経過するのに、今でも充分モダンに見える。 【写真】「ドイツ流」シンプルとコダワリ アウディA1とS1 同時期のミニ Mk2 現行のA1も (117枚) シンプルすぎて、特徴が薄いと感じる人はいるかも知れないが、定番ウイスキーのようにいつまでも飽きることはないだろう。ドイツ流のモノづくりに対するコダワリが、細部にまで落とし込まれている。 それでも、2010年に発売されたA1の中古車は、すっかりお手頃になった。同時期のミニと、同等の予算で探すことができる。 アウディの技術者やデザイナーは、近似サイズのミニとイメージが被らないように時間を割いた。1950年代からの伝統が備わらない代わりに、モダンさと一層の高級感が追求され、リアシートにも平均的な大人が過ごせる空間が備わる。 荷室容量は270Lあり、日常的な荷物なら問題なく載せられる。ちなみに、ミニの荷室は160Lだった。 実は、筆者も過去に初代A1を所有していたが、まったく満ち足りた時間を過ごせた。硬めのサスペンションでも、市街地では充分快適。6速MTのシフトフィールは心地良く、1.4Lの4気筒ターボガソリン、TFSIは不満ないほどパワフルといえた。 しかも、燃費は14.0km/Lを軽く超えた。アウディの名にふさわしい、コンパクト・ハッチバックだと思う。
洗練され高品質、ミニマリスティック
英国仕様の場合、A1のエントリーグレードだったのがSE。ヘッドライトはハロゲンで明るくないが、15インチのアルミホイールを履き、クルーズコントロールとヒーター内蔵ドアミラー、パーキングセンサー、6.5インチのポップアップ・モニターなどが備わる。 スポーツ・グレードを選ぶと、アルミホイールは16インチになり、サスペンションも引き締まった。フォグランプが追加され、USBとブルートゥースに対応したステレオも付いてくる。 自分もオーナーの1人だったSラインの場合、ホイールは17インチ。ヘッドライトはキセノンにグレードアップし、テールライトはLEDに。スポーツシートとアンビエントライトも与えられる。見た目は、スポーティなボディキットで差別化もされる。 英国仕様にはブラック・エディションも存在した。18インチ・アルミとブラック・トリムでドレスアップされるが、Sラインの方がコスパは良かった。 英国仕様のパワートレインには複数あったが、1.2L 4気筒ガソリンターボは86ps、1.0L 3気筒ガソリンターボは95psで若干力不足。1.4L 4気筒ターボは124ps、150ps、185psと3段階が年式によって存在する。 1.6Lと2.0L、2種類のディーゼルターボもラインナップされた。どちらも燃費に長けパワフルだが、特に2.0Lの方はAUTOCARでの評価も高い。 クラシカルな雰囲気がお好きなら、このクラスではミニがお決まりだろう。だが洗練され高品質で、ミニマリスティックな雰囲気がお好みなら、A1を検討されてみては?