V2ランの岡本和真に「まだ良くは見えない」 高橋由伸氏が見た広島からの“残像”
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人6―5ソフトバンク(30日・東京ドーム) 状態を聞かれれば「まだ良くは見えない」と答える。逆転2ランのヒーロー・岡本和だ。カウント1―1から低めのカーブを完璧に捉えた。上体が流れそうなところをしっかり止め、バットを走らせた。勢い余った大きなフォロースルーこそ、和真の本来を示す姿だ。ただ、1打席目の内容からは想像できなかった。 【動画】4番・岡本が逆転2ラン 2回先頭。変化球2つで追い込まれ、外角低めのカットボールに空振り三振した。最近の打席からも見られた、外角の見極めができていないスイングだった。思えば17日からの広島3連戦(マツダ)で、和真への内角攻めは厳しかった。特に初戦、大瀬良の徹底したシュートに崩された印象を受けた。その日以降、ヒットこそ放つものの中途半端な三振も目立った。内角への意識を強くされたことが原因だろう。最近は、分かっていても体が思うように反応せず、外に逃げる変化球は遠く見えたと思う。 3打席目の空振り三振に、8回の左飛も体は開き気味だった。シュートの残像が完全に取り切れていないと見る。元々、外角の見極めはいい方で、強く踏み込み、右方向にもホームランを量産できるバッターだ。インコースを思い切って捨てるなどして割り切ることができれば、また、勝負強い4番が戻ってくるはずだ。(スポーツ報知評論家・高橋 由伸)
報知新聞社