<熊本地震>河原小学校避難所語録集「困ったというのは、考えようやけん」
うちは「待つだけの避難所」ではなか ── 。6日間、密着取材をさせてもらった熊本県西原村の河原小学校避難所。逆境にあって、みな前向きに生活していた。その秘けつは何なのか? そこで出会った言葉を紹介する。
◆心構え ・「困ったというのは、考えようやけんね」(80歳代男性) ・「いいもん食べさせてもらって、体重が増えたかもしれん」(食欲について尋ねる医師に対して85歳の男性) ・「洗濯は近くの川でやりよる。桃太郎のばあちゃんみたいやろ」(昼間、洗濯物を干しに自宅に戻った70歳代女性) ・「こういう時は、昔話が一番たい」「そう、そう」(避難中の男性たちがおしゃべり中) ・「テレビは倒れんかった。3年前に死んだじいちゃんがきちんと留めてくれとったけん。ありがたか」(自宅に片付けに戻った80歳代女性) ・「わざわざ遠いとこから、お出でくださって……。ご苦労さまです」(取材に来た英国のテレビ局取材班に対して高齢女性)
◆支えあい ・「認知症の方は迷惑ではなく、見守らな。みんな年取れば、そうなるでしょ」(避難所総括の男性) ・「避難しているみんな、役割があると思います。赤ちゃんは泣くのが仕事、おじいちゃん、おばあちゃんは『ありがとう』と一言、にこっとしてくれたら、周りがうれしい気持ちになります」(朝食前の恒例のあいさつで、避難所総括の男性) ◆避難所の運営 ・「避難所をやってみて、ここは本当によかところと思った」(救護班で奔走した避難女性) ・「家は壊れたけん、しよんなか(しょうがない)。今は避難所を、どげんかせんな」(地区の水道管の復旧に動いた60歳代男性) ・「避難所の皆さんが顔見知りで安心感があるんでしょうね。皆さんがお元気で驚いた」(長崎県から派遣された災害支援ナース) ・ 「今日も1日、笑顔でがんばりましょう」(朝食前の恒例のあいさつで、避難所総括の男性) (取材・文・撮影:木野千尋)