どうなるU―23日本のOA 各国リーグ開幕前…主力ゆえに派遣難色 山本ND「選手がクラブで必要とされている」
日本サッカー協会は30日、今夏のパリ五輪に出場する男子U―23(23歳以下)日本代表の米国遠征に臨むメンバー25人を発表した。五輪前最後の活動として敵地で同米国代表と2試合を行うが、本大会で最大3人まで起用できるオーバーエージ(OA、24歳以上)枠の招集はなし。現状について、山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND、66)は「極めて難しい調整」と説明。OA組が招集できた場合は“ぶっつけ本番”で、交渉次第では最悪の場合、不在で臨む可能性もありそうだ。 * * * * * OA招集が困難となっている現状は、日本サッカーの進化ともリンクしている。OA候補に挙がるA代表の選手は欧州各クラブで主力として欠かせない存在となり、各国リーグの開幕前後の時期に行われる五輪への派遣に難色を示すのは理解できる。また、男子サッカーはW杯が最高峰で、五輪の地位が高くないことも所属先の許可が出ない一因だ。 さらに今オフに欧州内でステップアップする選手も出てくるはず。山本NDも「選手たちが大きなクラブで本当に必要とされているという、違うステージにたどり着いている。選手の成長があるからこういう難しい状況になったというのと、反面、うれしく思い、まさしく日本サッカーの成長なんだろうな」と言う。 A代表だけではなく、現在は若手の海外移籍が加速し、五輪世代の招集にも苦労している。山本NDは「日本サッカーの大事な節目。この経験は先々に生かしたい」と話すが、今回直面している問題には、今後ますます、頭を悩まされることになりそうだ。(後藤 亮太)
報知新聞社