「選挙で最善の選択肢になれない」カナダ・トルドー首相が総選挙前に辞意表明 物価高騰や住宅不足で支持率低迷 トランプ氏はアメリカとの合併の“持論”展開
FNNプライムオンライン
カナダのトルドー首相は6日、辞任する考えを明らかにしました。 トルドー首相は6日、記者会見で「党首として選挙で最善の選択肢になれないことが明確になった」と述べ、首相と与党・自由党の党首を辞任する意向を表明しました。 カナダでは物価高騰や住宅不足などの問題を背景にトルドー首相の支持率が低迷し、党内外から辞任を求める声が高まっていました。 トルドー首相は、2015年にカナダ史上2番目の若さとなる43歳で就任し、在任期間としては現職のG7首脳の中で最長です。 辞任表明を受け、アメリカのトランプ次期大統領は自身のSNSで「多くのカナダの人々は、アメリカの51番目の州になることを望んでいる」と改めて持論を展開。 その上で、カナダがアメリカと合併すれば関税もなくなり、中国やロシアの脅威からも守られるとして、「一緒になれば、どんなにすばらしい国家になるだろうか!」と主張しました。 このニュースについて、フジテレビ・立石修解説委員室長と共に詳しくお伝えします。 青井実キャスター: 実際アメリカがカナダと合併することはできないですよね。 立石修解説委員室長: もちろんカナダは主権国家なので現実的に無理ですよね。ですが、何でトランプさんがこんなことを言っているかといえば、第1次政権の時から、トランプさんはトルドー首相と反りが合わない。例えば、二枚舌ですとか、弱虫ですとか、そういう批判を繰り返してきたと。今回も貿易交渉などで優位に立つために今、求心力の弱っているトルドーさんを揺さぶっているというような状態かと思います。 そんな中、トランプ氏は「多くのカナダの人々はアメリカの51番目の州になることを望んでいる」という発言をしました。 カナダがアメリカと合併すれば関税もなくなって、中国やロシアの脅威からも守られるということで、「一緒になれば素晴らしい国家になる」と訴えているわけです。 青井実キャスター: 確かにアメリカとカナダは隣国なわけですが、実際、カナダに住んでいる人はどう思っている? 立石修解説委員室長: カナダメディアによりますと、このトランプ発言を受けた世論調査では、82%の人が反対をしていると。ただ13%は肯定的。 ですが、カナダの政治学者によりますと、これは非常に限られた限定的な層であると指摘していて、やはり多くの人が合併は望んでいないということです。 青井実キャスター: そうした中、カナダのトルドー首相が辞任する考えを明らかにしたわけですが、カナダでは物価高騰、住宅の価格高騰などを背景に支持率が低迷し、党内外から辞任を求める声があり今回に至ったということですが、山口さん、トランプ氏の強硬姿勢、この発言も含めてどう見ますか? SPキャスター・山口真由氏: カナダとアメリカはとても国としても近しいんですけど、何が違うかって、カナダの方がよりリベラルだし、トルドーはかつて象徴的存在だったわけですよね。今、トランプの強硬姿勢の前に、あの時はつらつとしていたトルドーが急速に色あせて見える、世界的なリベラルの退潮をトランプ主義の前に私は感じましたけれどもね。 青井実キャスター: カナダも日本も同じG7のアメリカと深い関係にあるわけですが、今後トランプ氏が大統領になった場合、日本に対しても強硬姿勢は変えないんでしょうか? 立石修解説委員室長: 状況が似ていますからね。ただ、トランプ氏の場合は、ご存じのように首脳同士の人間関係が一番重要です。トルドーさんとは仲があまり良くなかったので、石破首相との初めての会談がどうなるかが注目されるかと思います。
フジテレビ,国際取材部