キオクシア副社長、IPO時期について明かさず-タイミング見極め
(ブルームバーグ): キオクシアホールディングス(HD)の事業会社、キオクシアの渡辺友治副社長は5日、新規株式公開(IPO)の時期について現時点で申し上げることはないと語った。
渡辺氏は北上工場(岩手県北上市)で行われた会見で、「当社のあらゆる決定は、市場動向をかんがみて適切な時期に行う」と述べた。この日、安全祈願祭が行われた同工場の2つ目となる製造棟は2025年秋の稼働を見込み、人工知能(AI)ブームで需要が拡大するAIサーバーやパソコン、スマートフォン向けのメモリーを生産する。
関係者によると、同社は今年10月に東京証券取引所へのIPOを予定していたが、米国を中心に半導体株が調整局面に入っているために延期して上場タイミングを見極めている。キオクシアHDは2020年にも、半導体メモリーの市況悪化などでIPOを延期した経緯がある。
一方、次世代半導体の量産を目指すラピダスの追加出資にキオクシアが参加するかについては、現時点でコメントを差し控えるとした。その上で、「今後、協業できることがあれば対応していきたい」としたが、具体的な内容についてはコメントを控えた。
同社はラピダス設立時に10億円出資している。27年に2ナノ半導体を量産するラピダスの計画には5兆円程度の投資が見込まれ、官民による継続的な支援が求められる。
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Yuki Furukawa