鈴鹿アパート住人強殺、男に無期懲役 津地裁判決 三重
1月に三重県鈴鹿市のアパートで住人の近藤康夫さん=当時(77)=が殺害された事件で、強盗殺人や住居侵入などの罪に問われた住所不定、無職美崎芳一被告(28)に対し、津地裁(西前征志裁判長)は18日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。 西前裁判長は判決で、「素手で首を絞めて被害者を気絶させ、被害者が意識を取り戻した直後、首に服を巻き付け、1回目より強く首を絞めた」と指摘。「被害者に強い苦痛や恐怖を与えた無慈悲かつ残虐な犯行」と強調した。 その上で「自らの意思で仕事を辞めて生活費が乏しくなり、万引や無銭飲食をして生活する中で強盗殺人に至った。働くことなく、あえて犯罪を選び、同情の余地はない」と非難。「十分な反省も見いだせず、情状に酌量すべきものはない」と結論付けた。 判決によると、美崎被告は1月8日午後7時ごろ、鈴鹿市末広北2丁目のアパートの一室に侵入。近藤さんを十徳ナイフで脅した後、首を衣類で絞めて殺害し、軽乗用車や現金約2万5千円などを奪ったとされる。 また、美崎被告は昨年12月―今年1月、市内のコンビニでたばこを盗むなど、7つの事件に関わったとして、建造物侵入や窃盗、詐欺などの罪にも問われていた。