「水上の格闘技」54歳のレジェンド大城智子選手 娘2人と夫の支えで20年ぶり日本代表復帰
日の丸を背負い、第一線で活躍する54歳の日本代表選手がいます。愛知県豊田市在住のスーパーレジェンドが30年以上打ち込む、知る人ぞ知るスポーツとは!? 【密着】54歳のカヌーポロ日本代表・大城智子さんのパワフルな毎日 「今日のメニューはピザです」 Q.生地は手作りですか? 「手作りです。自己流だから恥ずかしい」 愛知県豊田市に住む大城智子さん。 おいしい料理を家族に振る舞う、笑顔溢れるお母さんですが、実は54歳にして、ある競技の日本代表でもあるんです。 「打たせるな!そこ打たせるなー!っていうのは結構言います」 大城さんを熱中させる、ある競技とは…「カヌーポロ」です。
攻守の要のキーパー
カヌーに乗ってボールを運び、水上2mにあるゴールに入れるカヌーポロ。1チーム5人、10分ハーフ。水の上で行うハンドボールのような得点競技です。 スピード感溢れるシュートに、巧みなパドルさばき。そして、カヌー同士のぶつかり合い。その激しい姿から「水上の格闘技」とも呼ばれています。 大城さんのポジションはキーパー。攻撃参加も認められているため、攻守の要として活躍しています。 大学で打ち込んでいたのは、速さを競うカヌースプリント。カヌーポロを始めたのは社会人になってからでした。その後、日本代表に選ばれると、アジア選手権で金メダルを獲得。日本女子カヌーポロ界の第一人者となりました。
日本代表監督からラブコール、20年ぶり復帰
結婚・出産・子育て…。長らく代表から離れていたものの、去年、約20年ぶりに復帰。きっかけは日本代表監督からのラブコールでした。 「(日本代表は)若手中心でやっていたんですが、経験不足を補える選手がいなかった。これは智子さんに頼むしかない、若手のために一肌脱いでくださいとお願いしました」(カヌーポロ女子日本代表 鈴木一生 監督) 「本当にいいのかな?恐縮ですって感じだったんです。でも結局コートに入ったら年は関係ないし、出る以上は迷惑をかけられない。体力面で他の人より引けを取らないように真剣に取り組んでいます」(大城さん) 愛知県みよし市。カヌーが盛んなまちの中心部にある保田ヶ池には、全国で5カ所しかないカヌーポロ専用コートがあります。 大城さんの拠点でもある練習場では、大人に限らず子どもも競技に打ち込んでいます。 8月に保田ヶ池で開かれていたのは日本代表合宿。世界選手権を控えるメンバーと、実戦形式の練習で連携を強化していきます。 「智子さんが一番うまい」「オフェンスもディフェンスもうまい」(チームメイト) 「とんでもない。恐縮です」(大城さん) 陸上での体力トレーニング。現役大学生など30以上年の離れた選手もいる中、大城さんも同じメニューをこなしていました。 「自分の娘と同じくらいの子がいる。そんな所で一緒にやれるなんて普通ない。一緒に練習する回数が多いほど一緒にいるのが日常になってきて、楽しいです」(大城さん) 「誰よりも体力あるんじゃないかな」「“超”がつくレジェンド」「真似はできない」(チームメイト)