三山凌輝、和田庵、岡部ひろき 『虎に翼』からさらに飛躍しそうな若手男性キャストたち
9月27日についに最終回を迎える、NHK連続テレビ小説『虎に翼』。本作は、法曹界で戦前戦後を生き抜き、裁判官として男女平等の世界を切り開く主人公・寅子を伊藤沙莉が熱演し、多くの視聴者の心を掴んだ。 【写真】はる(石田ゆり子)を支える直明(三山凌輝)と道男(和田庵) そんな寅子がともに過ごしたり、心を通い合わせたり、影響を与えたりしたことで、深く印象に残った3人の若者を演じたキャストは、『虎に翼』以降の活躍にも期待が高まる。その3人の若手俳優たちの、本作での好演ぶりを振り返ってみよう。 寅子の12歳年下の弟・直明(三山凌輝)は、子どもの頃から成績優秀で、素直で責任感が強い好青年。戦時中は、東京の実家を離れ、岡山で寄宿舎生活を送っていたため、戦後、家族のもとへ戻ってからは、人一倍、家族への想いが強くなっていた。家族のためなら、自分が犠牲になることもいとわない直明は、大学で学ぶより、家族を支えるために働こうとするが、寅子に説得され大学へ進学。 大学時代は、孤児たちの保護活動に従事し、家庭裁判所の設立にも貢献した直明。卒業後は中学校の教師になり、同じく教師の玲美(菊池和澄)と結婚し、一児の父となった。 自分の将来を考えて大学に行かせてくれた姉の寅子に、深く感謝している直明は、寅子が航一(岡田将生)と籍を入れない事実婚をした際には、寅子の明律大学の同級生たちを呼んで、「みなさんと協力して、お姉ちゃんの心が踊るようなことを考えてもらいました」と、“サプライズ結婚式”を企画した。 キラキラした純粋な目が印象的で、朗らかな優しい笑顔の直明を好演したのは、ダンス&ボーカルグループ・BE:FIRSTのメンバーとして活躍しながら、俳優活動をしている三山。BE:FIRSTでのパフォーマンス時の鋭い目つきや、クールなラップをしている“RYOKI”と、直明に扮している時は、まさに別人。それだけ、高い演技力を持っているのだと実感する。 『虎に翼』の脚本家・吉田恵里香が手掛けたドラマ『生理のおじさんとその娘』(2023年/NHK総合)や、映画『HiGH&LOW THE WORST X』(2022年)などに出演し、2025年2月公開予定の映画『誰よりもつよく抱きしめて』では主演を務める三山。今後の俳優業にも大いに期待したい。 東京家庭裁判所判事補になった寅子は、多岐川(滝藤賢一)と共に戦災孤児の問題に向き合い、視察に出かけた上野で道男(和田庵)と出会う。東京大空襲で両親を失い、孤児になった道男は、生きていくために犯罪に手を染めていた。 猪爪家に居候することになった道男は、寅子やはる(石田ゆり子)、花江(森田望智)らの支えで成長し、「笹寿司」に住み込みで働きながら一人前になるため修行を積むことに。寅子たちとも心を通わせ合う間柄になった。 大人に敬語を使わないし、寅子を呼び捨てにするけれど、温かい心を持つ道男を好演する和田は、19歳にして芸歴10年を超える若手俳優。筆者が初めて意識して彼の出演作を観たのは、『虎に翼』で語りを務める尾野真千子と親子役で共演した映画『茜色に焼かれる』(2021年)だ。本作で和田が演じたのは、学校でいじめに遭っている中学生役で、道男とは全くイメージが異なるため、しばらくの間、同じ人物が演じているとは気づかなかった。 ドラマ『TOKYO VICE』(2022年/WOWOW)、『GTOリバイバル』(2024年/カンテレ・フジテレビ系)、映画『エゴイスト』(2023年)などに出演経験のある、演技力抜群の和田。『虎に翼』の道男役で人気を得た彼の次回作が非常に楽しみだ。