「食べてすぐ寝る」人は尿路結石に注意したい理由 コーヒーや紅茶も実はリスク、石ができにくい摂り方とは?
男性は40代から、女性は50代から注意が必要な尿路結石。食生活の欧米化などのため、50年ほど前と比べ患者数は約3倍に増えた。尿路結石を発症すると激痛に苦しむことが知られているだけに、できれば予防したいところだ。 そもそもなぜ尿路結石ができるのか、予防するにはどうしたらいいのか。新百合ヶ丘総合病院泌尿器科の荒川孝医師に聞いた。 【表で解説】水は飲んだ方がいい?体に「石(結石)」を溜めないポイント ■結石ができる理由はさまざま 尿の中には、シュウ酸、カルシウム、リン酸、尿酸など、さまざまな成分が含まれている。これらの成分はふつう尿の中に溶け込んでいるが、何らかの原因で溶け切らないと固まって結晶となり、それが集まって結石となる。
なぜ結石ができるのか。その原因について、荒川医師はこう説明する。 「結石ができる原因は1つではありません。水分の摂取量が少ない、偏食や栄養バランスの乱れ、ストレス、性差、遺伝的要素、尿路の異常など、さまざまな因子が関与して結石を作ります」 例えば、水分の摂取量が少ないと、尿中のシュウ酸やカルシウムなどの濃度が上がり、結石ができやすくなる。動物性脂肪やタンパク質、糖分や塩分の摂りすぎも結石の原因となる。ストレスが結石を作るメカニズムは明確ではないが、関連するといわれている。
■男女で違うかかりやすい年齢 性差については、男女の割合は2.4:1で男性のほうが結石は多い。尿路結石にかかりやすい年代のピークも、男性は50代、女性は60代でズレがある。 「男性の場合は、働き盛りで暴飲暴食しやすい世代が尿路結石になりやすく、女性の場合は、閉経後に女性ホルモンの分泌が減少するタイミングで発症しやすくなります。女性ホルモンの分泌が低下すると骨からカルシウムが流出し、尿中のカルシウム濃度が上がると考えられています」(荒川医師)
実は尿路結石は50年前から増加傾向で1975年と2005年を比べると3倍に増加しているが、2005年と2015年の患者数を比べると、ほぼ変化しておらず、高止まりの状態が続いている(日本泌尿器科学会、日本尿路結石症学会、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会『尿路結石症診療ガイドライン2023年版』)。 理由として挙げられるのが、メタボリックシンドローム(メタボ)の存在だ。 「関係が明らかになっているわけではありませんが、尿路結石になった男性の43%、女性の31%でメタボを合併しているほか、肥満、高血圧、脂質異常などの生活習慣病を併発している傾向があります」(荒川医師)