「食べてすぐ寝る」人は尿路結石に注意したい理由 コーヒーや紅茶も実はリスク、石ができにくい摂り方とは?
“食べてすぐに寝る”生活も結石を作りやすくしている。 我々は寝ている間に汗をかく。だが、睡眠中は水分を補給できない。すると食事から摂ったシュウ酸や尿酸といった結石のもととなる成分の尿中濃度が上がり、結石ができやすくなるというわけだ。 「結石のもととなる成分が尿中に排出されるまでには、4時間かかるといわれているので、夕食から就寝までは4時間空けるのが理想です」(荒川医師) ■結石を作らない生活術とは?
以上のことから、動物性脂肪やタンパク質、塩分、糖質の過剰摂取を控えること、食べてすぐに寝ないことが尿路結石の予防になる。水分は1日2L以上摂ることが推奨されている。 シュウ酸の大量摂取を控えること、カルシウムが不足しないようにすることもポイントだ。例えば、シュウ酸の含有量が多いほうれんそうは、湯がいたあと水分をよく絞れば、シュウ酸の含有量は半分になる。 シュウ酸が多く含まれるというコーヒーや紅茶は、どうしたらいいのだろうか。
「一度でも尿路結石になったことがある人は、1日7~8杯など大量に飲むのは控えたほうがいいです。ただ、コーヒーや紅茶を毎日何杯も飲む習慣がある人が、急に飲むのをやめるのは難しい。その場合には、不足しがちなカルシウムを一緒に摂取するためにも、低脂肪乳を入れて飲むことをおすすめしています」(荒川医師) ちなみに紅茶に含まれるシュウ酸は、コーヒーの約3倍あるそう。結石が気になる人は、ミルクティで飲んだほうがよいだろう。お茶を飲むなら緑茶よりもシュウ酸の少ない麦茶やほうじ茶がおすすめ。
■一度発症した人は特に注意を 動物性脂肪の過剰摂取を控えるといったことは、ほかの生活習慣病予防にも共通することなので、誰もが意識すべきことだが、シュウ酸についてはどうだろうか。 「シュウ酸は再発予防のためには気を付けるべきですが、尿路結石を一度も発症したことがない人は、そこまで意識しなくても問題ありません」(荒川医師) 以上のことをまとめると、以下のようなポイントになる。結石ができやすい人はこれらのことに注意するといいだろう(※外部配信先では表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
(取材・文/中寺暁子) 新百合ヶ丘総合病院泌尿器科 尿路結石破砕治療センター センター長 荒川孝医師 1979年、北里大学医学部卒。興生会相模台病院泌尿器科尿路結石破砕治療センター所長、北里大学医学部泌尿器科助教授、国際医療福祉大学付属三田病院泌尿器科教授、同院尿路結石破砕治療センター長、国際医療福祉大学医学部腎泌尿器科学教授などを経て2019年から現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本尿路結石症学会名誉会員。
東洋経済オンライン医療取材チーム :記者・ライター