ご存知ですか?東京五輪誘致の都知事が関与 幻の“手賀沼ディズニーランド”
高度経済成長期に生活環境悪化 “夢と魔法の国”にそぐわず
その後、約15年の空白を経て、東京ディズニーランドは浦安市にオープン。開園直後から人気を集めた東京ディズニーランドは、30年以上の歳月が経過しても、その人気は衰えていません。もし“手賀沼ディズニーランド”が実現していれば、我孫子は観光客でにぎわっていたはずです。どうして、我孫子は”手賀沼ディズニーランド“を諦めてしまったのでしょうか? 「最大の理由は、手賀沼の水質汚染です。高度経済成長期、千葉県は東京のベッドタウンとして発展しましたが、下水道などのインフラ整備が追いつかず、生活排水によって手賀沼の水質は一気に悪化しました。そうした環境悪化が、観光地に相応しくなくなってしまったのです。また、ベッドタウン化で町の人口が増えたことに伴い、観光都市を目指すよりも良質な住宅を建設して町を発展させようと行政が方針を切り替えたことも大きかったと思います。」(辻さん) 幻に終わった夢と魔法の国の計画が復活する可能性はありませんが、衛星都市として歩むことを決断した我孫子市は、住宅地として順調に発展。昨年には、市制施行45周年を迎えています。 小川裕夫=フリーランスライター