“西の聖地”と呼ばれる神戸のウイスキーバー 約2000本を常備 「ラフに飲んでもらうのが1番」
お酒を楽しむ場所が多く存在する港町・神戸。異国文化が入り混じる神戸では、さまざまな人がお酒を交わしながらコミュニケーションを楽しむ。 【関連】世界5大ウイスキーの1つ「ジャパニーズウイスキー」4種 それぞれの特徴を解説 「上品でスモーキーなのは…」 このたび、ウイスキーバー「Bar Main Malt」(兵庫県神戸市)のマスター・後藤昌史さんがラジオ番組に出演し、バーの歴史やこだわりについて語った。 ウイスキー好きから「西の聖地」と呼ばれる同店には、およそ2000本のウイスキーがあるそうで、後藤さんは「ウイスキー好きでないと(お店は)できないと思う」と話す。 もともと、別のバーで働いていた後藤さんが同店をオープンしたのは、1993年のこと。「ウイスキーの値段がどんどん安くなってきた」ことが契機だったという。 当時について、後藤さんは「バーボン全盛期の時代にスコッチを飲む人が少なかった。せっかくおいしいものがあるのに、知らないのはもったいないなと思いました」と振り返った。 番組パーソナリティーの清水健(フリーアナウンサー)から、「お客さんにウイスキーを出す前に、味やにおいの確認はするのか?」と尋ねられると、「(栓を)開けていないものに関してはお客さんに開けてもらう」と回答。 続けて、「博打をかけられる人はどうぞ、と思っている」と話すと、スタジオは笑いに包まれた。 後藤さんいわく、「年代もののウイスキーは開けるのがこわい」とのこと。その真意については、「1960~70年代のものであれば、保管しているコンディションにもよる。それを開けるときは、(味やにおいの状態がわからないので)こわいですよね。値段も安くないので、開けるときには『本当にいいんですか?』と忠告します」と説明し、客目線でのコメントであることを明かした。 バーといえば、並べられたボトルをイメージする人も多いだろう。しかし、後藤さんは「飾るだけではよくない」と話す。ウイスキーに対する熱い思いとともに、このように付け加えた。 「飲まないと作り手に失礼なので、飾っておくだけでは失礼ですよね。『ラベルがかっこいい』という気持ちはわかりますが、作った人が怒ると思うんです。ウイスキーって、開けて最後までなくなると『これは世界で1番うまかった』と思い出が美化されるんですよ」(後藤さん) バーの楽しみ方については、「ラフに飲んでもらうのが1番」とひと言。「型にはめるのではなく、あんまり難しいことは考えなくていい。ぞんざいに扱えとは思わないけど、水割りで飲むのもいいし、自分が飲みたいときに飲んだほうがいいように味わえる」と、肩ひじ張らず楽しんでもらえるよう呼びかけた。 「Bar Main Malt」は、2023年で30周年を迎えた。ウイスキーの変遷を思い返した後藤さんは、「ハイボールの存在はとても助かった」とコメント。ハイボールのおかげでウイスキーが身近になり、「ロックか水割りでなければならない」という風潮ががらりと変わったという。 「ハイボールなどの種類が増えて、口にしてもらえる機会が増えることは我々にとっては楽。良い意味でウイスキーの入り口は低くなっていて、若い人でも入りやすい世界となっている」(後藤さん) 「この人“通”やなあ、という人の特徴」について尋ねられると、「飲み方の順番」と回答。「クセのあるウイスキーを最後に回したりする人」は、“通”だと感じるという。「飲み方は自由ですが、最後にスモーキーなものを飲む人とかを見ると『飲み方わかってるな~』と思います」と、マスターならではの観点で解説した。 今後の夢については、「(私が)好きなアイルランドのウイスキーをいじらせてもらって、飲んでくれる人が増えたらいいなと思います」と語り、番組を締めくくった。 ※ラジオ関西『Clip木曜日』より
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