「自分の中で一歩踏み出すための地固めができた」田中希実が1500mでパリへの切符 東京五輪後は最速タイム
◇第108回日本陸上競技選手権大会(28日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム) 女子1500メートル決勝が28日行われ、田中希実選手(New Balance)が4分1秒44のタイムで大会5連覇を達成。パリ五輪参加標準記録(4分2秒50)を切り、すでに内定を決めている5000メートルに続いてパリへの切符をつかみました。 【動画】田中希実のケニア合宿密着 過酷な練習環境もマンゴー食べ放題で笑顔 3年前の東京五輪では4分切りを2度達成するなど、日本記録(3分59秒19)をマーク。今回の優勝タイムは、東京五輪以降で自己最速タイムでした。 レース後の率直な気持ちを聞かれ、「すごく不思議な気持ちといいますか・・・」と田中選手。 「自分の中で目標が高すぎる部分であったり、最低限の目標をまずクリアしないといけないというところがあったり、自信の無さから自分の中で目標を下方修正してしまう自分がいたりとか、3つくらいの自分に分裂してしまって、だからこそ今日はその中でもいつもよりはフラストレーションが溜まらない走りだったのですが、自分の中で会心の走りではなかったのかなと思いつつ、ただ最低限やるべきこと、自分の中で一歩踏み出すための地固めができたのかなという思いはあります」と振り返りました。 東京五輪の舞台で日本記録をマークしてから3年。記録に対しては「今まで苦しんでいた数年のことを思うと、すごく跳び上がっていいくらいの記録に自分は感じます」と話し、「国内で有観客の中で出せた記録としては日本人選手の中で過去最速だったので、そこはすごく良かった。日本選手権という舞台でそれができたのは自信になると思います」と力を込めました。 今大会はすでに内定を決めている5000メートルに加えて、800メートルにも出場。「やっと1500メートルもパリを決めることができたので、チャレンジャーの気持ちで800メートルやパリを見据えた5000メートルができる。自分の中でぴりぴりするだけの日本選手権じゃなくて、走るからこそ得られる感触を感じながら過ごしたいと思います」と次のレースを見据えています。 田中選手は大会3日目に800メートルの予選と5000メートルの決勝。800メートルで勝ち上がれば、大会最終日の4日目に決勝が予定されています。