旧車トラック乗りは旧車乗用車好き多し! コンテッサを積むクルージングレンジャーの姿に日野社員も感動!!
日野の関係者にも旧車好きが多かった!
茨城県水戸市の郊外にある旧車専門店「ケイズ・ヒストリック」の代表、古徳顕治さんは同店を30年前に創業する前からハコスカGT-Rを2台乗っていたという筋金入りの旧車エンスー。また、デコトラなどトラックも大好きで、車両販売のかたわら、2トン車や4トン車など、7台のトラックで旧車を全国各地に運ぶ陸送業務にも力を入れている。弊社のデコトラ専門誌「トラック魂」も発刊当初から購入し、リアルトラックスなど別冊も買い続けてくれているというから有り難い。 【写真】いつか完全復活するその日まで。レストア待ちのコンテッサの様子 トラックも旧車が好きで、フルフラットでクルマを積み込める日産ディーゼル製3代目ファインコンドルのウイング車や、日野の4代目クルージングレンジャーの2台積みキャリアカーなどを、令和のいまも現役で運用している。取材時に撮影させてもらったファインコンドルにはマツダ・コスモスポーツを積載。クルージングレンジャーの積載車には、日産510ブルーバードとボルボP1800が積まれていた。 そんな古徳さんの陸送業務にまつわるおもしろ話を聞くことができた。 ある日、日野自動車のミュージアムの担当者の依頼で、東京都日野市の同社本社へ向かった古徳さん。仕事は本社にある2代目コンテッサセダン(1964~67年生産。ジョバンニ・ミケロッティがデザインした日野が最後にリリースしたリヤエンジン採用の自社ブランド最後の乗用車。1965年にはクーペもリリース。当時の国産車のなかでとりわけ美しい車両として国内外で人気を博した)の部品取り用車体を預かること。そのときの引き取りに使用した積載車は、迷わずクルージングレンジャーをチョイスした。 日野自動車本社に到着した古徳さんとクルージングレンジャー。構内で待っていた同社スタッフから歓声で迎えられたという。車両を囲んだスタッフ、とくにベテラン社員たちからは「まだ現役で活躍してるんだ!」「このレンジャー、俺が開発に携わったんだ」と絶賛されたという。 日野自動車の歴史に残る名車を引き取りに来た積載車が、最新の車両ではなくこれまた40年前に開発された名車ともなれば、メーカーの関係者としては感動的なものがあったのだろう。 トラック乗りは乗用車、トラックともに旧車が好きなマニアが多い。スペースレンジャーの先代モデル、4Dもいまなお大人気。大型車プロフィアの先代モデルにあたるスーパードルフィンに至っては、いまも現役の仕事車として使い続けているドライバーも数多く存在する。そんな事実をこのとき古徳さんのクルージングレンジャーを取り囲んだ日野の社員が知ったら、涙ぐんでしまうのではないだろうか。 古徳さんが日野市の本社から預かったコンテッサの部品取り車両は、いまも同店で大切に保管され、ミュージアムによるレストア、あるいは部品活用を待ち続けている。
トラック魂編集部