沖縄の闘牛界を盛り上げたレジェンド 故佐久川政秀さんをしのぶ写真展 新垣フミ子さんが撮影、情感あふれる45点
沖縄の闘牛界を盛り上げた立役者の一人で、8月に67歳で他界した佐久川政秀さんをしのぶ写真展が30日まで、うるま市の海の駅あやはし館2階ホールで開かれている。撮影は闘牛写真家の新垣フミ子さんで、45点を展示している。午前9時から午後4時30分まで、入場無料。(翁長良勝通信員) 【写真】生前の佐久川政秀さんと記念写真に納まる新垣フミ子さん 佐久川さんは読谷村古堅出身。数々のチャンピオン牛を育て、多くの大会を開催するなど、闘牛を通した社会貢献に尽力したレジェンドとして知られる。 会場には古堅モータース号、古堅モータース☆黄龍、古堅モータース若力、古堅モータース白眉といった佐久川さんの愛牛4頭が戦いに挑む姿を捉えた写真が並ぶ。「目力」「血走り」「ぬちかじりー(懸命に)」のほか、「よろこび」「くやしさの涙目」など情感あふれるタイトルが付き、家族や親戚を挙げて勝利を喜ぶ様子も記録されている。 新垣さんは40代の頃から写真に興味を持ち、写真教室に通って腕を磨いた。当初は花鳥風月などにカメラを向けていたが、闘牛を撮影したところ、その魅力にはまり2009年から闘牛場や闘牛を中心に撮るようになった。写真集「沖縄闘牛とあまくま」も出版している。 闘牛の飼育の様子や調教などを知るため、佐久川さんの牛小屋に何度も通い、牛の性格や牛主の闘牛に懸ける情熱を体感。牛の出産に立ち会ったこともある。 佐久川さんと愛牛「黄龍」を撮影した作品「あちさんやー(暑いなぁー)」は19年の第106回沖縄写真連盟展の「連盟賞」に輝いている。 新垣さんは「佐久川さんの常に牛に寄り添い牛と共に戦う姿、勢子をしている時の勇ましさ、愛牛を育む優しさを写真を通して感じていただければ幸い。展示会を手助けしてくれた友人、知人らにお礼を申し上げる」と述べ、「多くの人に観賞してほしい」と呼びかけた。