侍ジャパン・森下翔太、韓国粉砕弾!「自分のヒットからチームが最終的に勝利できたのはすごくうれしい」
【台北15日=浜浦日向、中屋友那】国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で2連覇を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は台湾に舞台を移して行われた1次リーグB組の韓国戦に6-3で逆転勝ち。4番・森下翔太外野手(24)=阪神=が七回に試合を決定づける1号2ランを放ち、開幕2連勝とした。 これが日本の4番だ。韓国との壮絶なシーソーゲームに、ひと振りで決着をつけた。4番・森下が放った井端ジャパンの今大会1号。日本のファンが陣取る三塁側スタンドへ、人さし指で「1」を作り、力強く掲げた。 「厳しい試合になるのは分かっていたので、自分のヒットからチームが最終的に勝利できたのはすごくうれしい。自分の出塁やホームランでチームの勝利に貢献できたことが一番よかったかなと思います」 一塁内野席は韓国のファンで埋まった。スピーカーから応援歌を流し、マイクも使った独特の応援がこだまする完全アウェーでのゲームだった。 五回に牧(DeNA)の2点打で4―3と逆転するも接戦は続く。試合を決定づけたのは七回1死一塁での第4打席だった。ここまで韓国バッテリーの警戒は明らか。第2打席は外角の変化球攻めで、続く打席は勝負を避けたような四球。この打席でも直前で右投手にスイッチし、森下対策を徹底的に敷いていた。 しかし、日の丸の主砲はその上を行った。5球目の直球を完全に仕留め、左中間最深部に白球がライナーで突き刺さる。24歳の若きサムライが放った宿敵を沈める一打。声を上げてホームを踏み、ナインが待つベンチに飛び込んだ。 不慣れな環境の中でも結果を示した。初戦を戦った名古屋から南西へ約2000キロ。この日の台北は30度近い気温が蒸し暑かった。森下は小学校高学年で親善試合に訪れて以来の2度目の台湾となったが、これは想定外。現地で慌てて半袖のシャツを買いそろえた。「こんなに暑いと思わなかった」と汗をぬぐいながら「でも試合はドームだから」と笑顔。慣れない球場でもワクワクして試合に挑む姿は、これまで練習を積み重ねてきた自信の表れでもあった。 試合前には「この一試合が大事だと思うので、勝ちに徹する野球をしていきましょう!」と声出し役を務めた。強化試合など全5試合で打点を挙げ、打率・579。侍ジャパンは国際大会21連勝。韓国戦は2017年のアジアプロ野球チャンピオンシップから9連勝とした。16日には地元台湾と全勝対決。「楽しみですね。どんなアウェーでも自分のやるべきことをやるだけなので」と森下。再び自らのバットで白星を手繰り寄せる。(中屋友那)