吉野山で山伏ら「鬼も内」 金峯山寺蔵王堂で節分会
奈良県吉野町の世界遺産金峯山寺蔵王堂で3日、全国から追い払われた鬼を招き入れる節分会の行事「鬼の調伏式」が行われた。開祖役行者が仏法の力で鬼を改心させ弟子にした故事にちなむ。 山伏らが本堂で読経中、赤鬼や黒鬼に扮した男衆6人が乱入。山伏の肩を左右に大きく振り、錫杖をとるなど邪魔を繰り返す。「福は内、鬼も内」と山伏らから豆をまかれひれ伏した。改心した鬼は五條良知管長らとともに福豆の入った小袋を特設舞台から参拝者にまいて振る舞った。 奈良県宇陀市から来た太田康治さん(72)は「鬼を追い出さず改心させるゆとりを持ちたい。黒鬼がいたり、改心した鬼が福豆をまくのが面白い」と楽しんでいた。