暴露被害相談1300件超 10年間で、民間団体が初集計
性的指向や性自認を本人の同意なく暴露する「アウティング」被害の相談が、2022年度までの10年間で1354件に上ることが26日、無料相談を受け付けている一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」のまとめで分かった。同センターが全件を対象に集計したのは初めて。アウティングはパワハラの一類型として職場での防止が義務付けられているが、毎年相当の被害があることが明らかになり、未然防止の対策が求められる。 【表】「アウティング」禁止条例が増加 26自治体、3年で5倍に
同センターが運営する無料相談電話「よりそいホットライン」のうち、性的少数者向けの専用回線に寄せられた相談記録を調べた。その結果、毎年度100件前後~百数十件で推移し、最多は19年度の248件。一橋大法科大学院の学生が15年に性的指向を暴露された後に転落死した事案を巡る訴訟の一審判決が19年2月に報じられた影響で増えたとみられる。 内容では「職場の上司や同僚に心を許して話をしたら広まってしまった」「行政に相談したら『情報共有』されてしまった」など、本人の意図しない形で拡散されたという被害が目立つ。