初任給での親へのプレゼントに「1万円」は少ないですか? あまり豪華なものを買えないのですが、「レストランの食事」でも大丈夫でしょうか…?
初めての給料で親にプレゼントを贈ったり少し高いレストランに誘ったりする人も多いことでしょう。しかし、就職したてのころは生活するだけで精一杯である場合がほとんどではないでしょうか。 残ったお金で親に何かしてあげようと考えても、できることは限られます。そこで今回は、手取り17万円でプレゼントに1万円使うケースが適切かどうか解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
手取り17万円の生活費はどれくらいかかる?
総務省が定期的に公表している「家計調査」を基に計算した、賃貸暮らし単身世帯の平均支出割合と、手取り17万円にあてはめた金額は、図表1のとおりです。 図表1
総務省 家計調査2023年を基に作成 図表1の項目のうち、親へのプレゼントは「娯楽・嗜好品費」に該当します。今回のケースの「予算1万円」では、娯楽・嗜好品費の半分以上が必要です。 仮に1万円をプレゼントでちょうど使い切ったとすれば残金は7000円となりますので、これでひと月を過ごさなければなりません。職場での飲み会や付き合いのイベントがあったなら、足りない可能性が高いです。 ■当月だけ貯蓄をしなければ十分確保できる 娯楽・嗜好品費だけで考えると、予算1万円は厳しい数字です。しかし、当月だけ例外に貯蓄をしないことにすれば、十分予算は確保できます。 前記の内訳で貯蓄にあたるのは「娯楽・嗜好品費」の残金か「その他」の2万2270円です。内訳に当てはまらない特別な支出がない限り、その他のお金も自由に使えます。合計すれば3万9270円なので、プレゼントの予算1万円を十分賄えるでしょう。
初任給でプレゼントを渡した人の割合は3割
手取りの17万円で予算1万円のプレゼントは、貯金する分を除けば難しいと予想されます。しかし、とある団体が20代会社員1000人に対して実施した調査によると、初任給を受け取った人のうち誰かにプレゼントを贈った人の割合は、1000人中およそ300人程度だったそうです。意外にも、初任給でプレゼントを贈る人は少ないことが判明しました。 また、同調査で「初任給で生活に余裕がなかった」と答えた人の割合は全体の50%以上にものぼったそうです。まだ収入が少ない分、生活費を支払って精一杯といった事態が予想されます。 ■予算1万円でもプレゼントは気持ちが大事 同調査によると、プレゼントの平均予算はおよそ1万8000円前後とされています。今回のケースである予算1万円は平均値のおよそ半分です。 しかし、両親へのプレゼントで大切なのは、金額ではなく気持ちです。必ずしも高価なプレゼントを贈る必要はなく、相手を気遣う気持ちこそ、最も重要な要素といえるでしょう。予算1万円でも、その金額の中でできる精一杯を尽くすことにこそ、真の価値があるのではないでしょうか。 また初任給で両親へ高価なプレゼントをすると、逆に両親から「こんなにしなくていいのに……」と気を遣わせてしまう可能性もあります。場合によってはお金の使いすぎを心配されるかもしれません。そういった意味合いでも、今回の手取り額に対する予算1万円は適切ともいえるでしょう。 ■プレゼントで多いのは食事 初任給で両親に贈るプレゼントの内容は、レストランでの食事が多いといわれています。そのほかの選択肢として挙げられるのは「食品・お酒・旅行・家電製品・衣服類」あたりでしょう。 なにをプレゼントするかは個人の自由ですが、せっかくなら相手がもらって嬉しいものを贈りたいものです。例えば、実家の冷蔵庫が昔から使っている古いモデルなら、新しい冷蔵庫を買ってあげると喜ばれるでしょう。このように、プレゼントは相手と予算に合わせて選ぶのをおすすめします。
初任給のプレゼントは計画的に
新社会人は、収入を伸ばすより支出を減らすようにしたほうがお金を多く確保できる可能性があります。特に誰かにプレゼントをするなら、その分の費用を捻出する必要があるでしょう。 どうしても予算を確保できないなら、もう1ヶ月待つのも手段です。必ずしも初任給だけにこだわる必要はありません。一番大切なのは気持ちであり、無理に高額なプレゼントを贈ろうとする必要はないため、できる範囲の金額でプレゼントを贈りましょう。 出典 総務省統計局 家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表2023年 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部