最初の人類の祖先は「”頭蓋骨”を割って指で器用に”脳みそ”をすくって食べていた」!?…現代とは全く異なる”原人”の驚きの姿
人種差別、経済格差、ジェンダーの不平等、不適切な発言への社会的制裁…。 世界ではいま、モラルに関する論争が過熱している。「遠い国のかわいそうな人たち」には限りなく優しいのに、ちょっと目立つ身近な他者は徹底的に叩き、モラルに反する著名人を厳しく罰する私たち。 【漫画】「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性が絶句 この分断が進む世界で、私たちはどのように「正しさ」と向き合うべきか? オランダ・ユトレヒト大学准教授であるハンノ・ザウアーが、歴史、進化生物学、統計学などのエビデンスを交えながら「善と悪」の本質をあぶりだす話題作『MORAL 善悪と道徳の人類史』(長谷川圭訳)が、日本でも刊行される。同書より、内容を一部抜粋・再編集してお届けする。 長谷川圭 高知大学卒業。ドイツ・イエナ大学修士課程修了(ドイツ語・英語の文法理論を専攻)。同大学講師を経て、翻訳家および日本語教師として独立。訳書に『10%起業』『邪悪に堕ちたGAFA』(以上、日経BP)、『GEのリーダーシップ』(光文社)、『ポール・ゲティの大富豪になる方法』(パンローリング)、『ラディカル・プロダクト・シンキング』(翔泳社)などがある。 『MORAL 善悪と道徳の人類史』 連載第4回 『最も誠実な研究者でさえ抗えない「誘惑」…チンパンジーやボノボの“化石”がほぼ全く見つかっていない衝撃の理由』より続く
最初の人類の身体的特徴
ほかの類人猿から進化した直後の最初の人類の祖先は、現代の人間とは顔も姿もまったく異なる別種の動物だった。身長は1メートルをわずかに超える程度。霊長類に特徴的な長い腕、前に突出した口、大きく開いた鼻孔をもち、全身は黒茶色の毛で覆われていた。 つまり、この時期の原人は現代の人間よりもはるかにサルに近い姿をしていた。文化あるいは知性の最初の兆しが見られたのは、ずっとのちになってからだ。タンザニアのオルドバイ峡谷で見つかった原始的な石器は、せいぜい250万年前のものに過ぎない。
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