日本広告審査機構（JARO）がまとめた2023年度の審査状況で、「健康食品」の苦情は前年度比27％減と大幅に減った。一方で保健機能食品関連の苦情が微増となった。 　2023年度の総受付件数は1万874件で、前年度比9.6％減。このうち苦情件数は8727件で同5.2％減となった。苦情を業種別に見ると、前年度に初の1位となった「医薬部外品」が491件で引き続きトップ。ただ件数は過去最多となった前年度から3.7％減った。商品は育毛剤、除毛剤、美容液、クリームなど。 　10位以内で増加率が最も高かったのが2位の「医薬品」。前年度（135件）の約3.5倍となる479件に激増した。景品キャンペーン企画の事後的変更による苦情が297件あったという。 　前回2位だった「化粧品」は303件で前年度比32.1％減となり、3位に。価格・取引条件に関する苦情が減少した。 　「健康食品（保健機能食品以外）」は244件で、同26.9％減となり、7位だった。JAROの担当者によると、「化粧品」「健康食品」の減少には、景品表示法に基づく行政措置や、事業者によるプラットフォームの改善、また事業者が別の業種に移ったことなどが要因として考えられるという。一方で保健機能食品は188件となり、前年度から17件増加した。 　医薬部外品、化粧品、健康食品（保健機能食品以外）、保健機能食品の4業種について、20年度の計2248件から23年度は1226件へと約1000件減少しており、「3年間である程度広告・表示の適正化が推進されたと思われる」としている。