385センチ×105センチの壁に「正方形のタイル」を隙間なく貼ったときの、「タイルの大きさ」は…? 1センチは除外します
二つの数の関係性は約数(倍数)である
いま述べた除法の定理から、約数や倍数の概念が出てきました。つまり、二つの数を考えたときには、一方が他方の約数であるかまたは倍数であるか、そうでないかのいずれかの関係性が成り立つということです。 さて、いま二つの数365と12を考えて、その関係性を約数の立場からみてみます。 365は12で割り切れませんから、直接的な約数または倍数の関係性はありません。そこで、この二つの数の素性を知るために素因数分解(素数の積に分解)をしてみます。 365=5×73 12=2×2×3 このとき、5と73は365の(素数の)約数となります。また、2と3は12の(素数の)約数になります。365の約数はそれ以外に1がありますので、自分自身も含めると1, 5, 73, 365がすべての約数です。一方、12は1, 2, 3, 4, 6, 12がすべての約数となります。 365の約数:1, 5, 73, 365 12の約数:1, 2, 3, 4, 6, 12 こうして、365と12には1以外の共通の約数がないことがわかります。このようにお互いに1以外に共通の約数がない場合に365と12は互いに素といいます。 1年は365日で12ヵ月ですが、数的にはお互いは素っ気ない関係なのです。 では、364と12を素因数分解してみてみましょう。 364=2×2×7×13 364の約数:1, 2, 4, 7, 13, 14, 26, 28, 52, 91, 182, 364 一方、12は次のとおりです。 12の約数:1, 2, 3, 4, 6, 12 したがって、364と12の共通の約数は、1, 2, 4ということになります。この中で最も大きな共通の約数は4です。これを364と12の最大公約数と呼んでいます。 最小の公約数は常に1なので、特別にこれを最小公約数とはいいません。