日本では“尻軽”と誤解「bitch」の主な使用法4つ ネイティブが真に伝えたい英語のニュアンスとは?
■直訳ではわからない誤解しやすい表現はたくさんある! 「bitch」「shit」のように日本人の持っているイメージと異なる英単語を紹介しましたが、他にも英語には、単語レベルでは初心者でもわかるのに、2語、3語と組み合わさるとかなりの上級者でも理解できない、または誤解しがちな言い回しが際限なく存在します。 例えば、too much informationという表現。直訳すると「情報多すぎ」ですが、意外な意味で使われることがあります。「こんな話をわざわざ人前でしないで」と思う内容を、大勢の集まりで披露してしまう人いますね。こういうときネイティブはtoo much information(略してTMI)と言うのです。これは「それは他人に言うことじゃない」「聞いているほうが恥ずかしい」という意味です。
例えば、私のパートナーの親戚のおじさんは、親族の集まりでは必ず酔っぱらって自身の性的嗜好について話し出すのですが、それが始まると、その家の兄弟たちはThat’s a little too much information.などと呟き、それぞれ自分の妻や子供たちの肩をつかんでサーッと離れていきます。 too much information(TMI)は割に新しい言い回しで、それ以前は《過剰に共有する》という意味のoversharingを使って、You’re oversharing. と言ったり、《必要以上の》という意味のexcessive を使って、That’s a bit excessive.(それはちょっと必要以上だね)などと言ったものですが、1990年以降はもっぱらTMIを耳にするようになりました。
また他の例としてMy bad.(直訳すると「私の悪さ」)。これは「自分の落ち度」を意味するスラングで、「ごめん」「すまない」と和訳されます。きちんとした英語ではIt’s my fault.となりますが、スーダン出身のNBA選手マヌート・ボルはこれが出てこず、代わりにMy bad.を連発。それがチームメートに広がったのがMy bad.の発祥だとか。 My bad.は90年代以降よく聞かれるようになったフレーズのようで、同時期に放映され始めたアメリカのアニメ『ザ・シンプソンズ』のお父さん・ホーマーもよく口にします。I’m sorry.には真摯さがありますが、My bad.はややすっとぼけた響きで、ストレスなしに口にできる感じです。