長野風花が考えるなでしこジャパンの”これから”…4発快勝の日韓戦をスタートラインに「私たちの目標は世界で結果を出すというところ」
26日に国立競技場で行われた「MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2024」で韓国代表を4-0で破ったなでしこジャパン(女子日本代表)。ボランチとして先発した長野風花は、組み立てに積極的に参加して攻撃のリズムを作れば、守備ではセカンドボールを繰り返し回収してピンチの芽を摘み続ける。チームの柱として攻守で躍動した。 なでしこジャパンの最新メンバー2024 前日練習後の取材で「アグレッシブにっていうのはすごくノリさん(佐々木則夫監督代行)から言われている」と韓国代表戦でのなでしこジャパンのテーマを明かしていた長野。試合を終え「積極的に奪いに行く姿勢は見せられたと思う」と振り返っている。 なでしこジャパンはこの韓国代表戦をイレギュラーなシチュエーションで迎えた。パリ五輪後に退任した池田太前監督の後任が未定のため、日本サッカー協会女子委員長の佐々木監督代行が指揮。対する韓国代表も今月10日にシン・サンウ監督が就任したばかり。「韓国代表は主力の選手も全く来ていないというところもあって、今日の試合は本当に難しい状況だった」と長野は話す。 「勝てたのは良かったけど、もちろん私たちの目標は世界で戦う。世界で結果を出すというところ」 4つのゴールを奪って白星を飾った日韓戦が、なでしこジャパンにとって新たなスタートラインとなる。 「太さん(池田前監督)のときも、自分たちが『前から行こう』とチャレンジして、裏へ蹴られた一発で失点して負けて。そこから自分たちのスタイルを見つけられたのはあった。今回も新しいことにトライしているけど、練習でうまくいかなかった場面が試合であんまり出なかったので、強い相手と戦ったときにどうなるかなって感じています」 決して悲観的ではない。「とにかくアグレッシブにチャレンジをする。強気に前から行ってみる」韓国代表戦のテーマに対しては「前向きなトライはできていたし、前にいきすぎて(裏を取られて)っていうところもなかったので、使い分けられていたと思う」とポジティブな感触は得ていた。その中で、前回のワールドカップ2023やパリ五輪(共にベスト8敗退)前のスタートラインを回顧し、過去と現在を照らし合わせている。 日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長が試合後の囲み取材で 「年内には決めたい」と明かしたなでしこジャパンの次期指揮官。長野が「新しい監督がどうやって戦うか」と話したように、暫定指揮官の定めたテーマが継承されていくとは決まっていない。 では、”今”できることは。長野は「チームで1人1人がやっぱり個の能力を上げていくことに尽きるかなと思う」という考えを示す。そして、その意識を”これから”につなげていくことが必要だと口にした。 「(パリ五輪で)アメリカに負けた時も、1つのシュートで上に勝ち上がれなかった。小さいことかもしれないけど、大きい部分だと思っていて。最後に決めきれるか、それともやられるかっていうところがワールドカップもオリンピックも足らなかった。まずは個人の能力を上げること。そしてチームとして『この時間帯でどうプレーするか』だったりの質を求めていくしかないかなと思います」 「本当に今の私たちは世界を狙えなくはない。絶対」。長野は力強く語った。現在のなでしこジャパンが「世界で戦える」と思うからこそ、”これから”に対して真摯に向き合っている。 背番号10の見つめる先は3年後のワールドカップ。「世界で結果を出す」ための新たな戦いが始まった。