『アンメット』杉咲花&若葉竜也、芝居に見えない異次元の役作り Pに与えた“初めての体験”
■生田絵梨花の努力で麻衣に奥行きが生まれた ――そんな岡山さん演じる綾野と、生田絵梨花さん演じる麻衣のストーリーも魅力的でした。麻衣は、序盤はヒールのようなポジションでしたが、綾野を本気で愛していることが明らかになる7話、8話を経て、すっかり応援されるキャラクターになりましたね。 安心しました(笑)。生田さん、これまでよく我慢してくれたなと思います。本当の思いが明かされたあとの笑顔は、一気に麻衣の魅力が解放されるようで。皆さんが生田絵梨花のああいう表情を見たいということはもちろん分かっていたんですけど、『アンメット』では違うものを見せようよと話して、序盤は何を考えているか分からない麻衣を演じてもらいました。生田さんは質問王。現場では、生田さんが脚本について僕に質問に来るのが恒例行事になっていました。実は麻衣は、今何をどこまで知っていて、今何を考えているのか、情報の整理が一番複雑なキャラクター。生田さんのテクニックがあれば、何を考えているか分からないような、雰囲気を伝えるお芝居はできると思うんですけど、そうせずに、麻衣の感情を何とか手繰り寄せて、「それならこの言い回しがいいんじゃないか」、とすごく丁寧にコミュニケーションを重ねて作り上げてくれました。生田さんの努力で麻衣に奥行きが生まれたし、応援したいキャラクターになったと思っています。 ――本当は、このまま全キャストのお話をお伺いしたいところなのですが、残念ながらお時間の都合もあるということで……最後に、最終回の見どころを教えてください。
『アンメット』で取り扱った脳の疾患には後遺症がつきもので、完全に回復することがなかなか難しい。そのなかで患者たちがどんな希望を見つけて、どう後遺症と付き合って長い人生を生きていくか。視聴者の方が患者の“その先”の人生にいかに思いを馳せられるかいうことを、全11話かけて描いてきたつもりです。これまで医者としてたくさんの患者に向き合ってきたミヤビが、三瓶との関係を通して、11話の“その先”の人生をどう生きていくのか、想像できるラストになればと思っています。ここまで見てくださった皆さまのご期待に沿える最終話を作れると信じてやってきました。最後まで見届けていただけたらうれしいです。