『アンメット』杉咲花&若葉竜也、芝居に見えない異次元の役作り Pに与えた“初めての体験”
■井浦新はどのドラマにも一人欲しい存在 ――このまま役者さんのお話をお伺いしていきたいのですが、大迫役の井浦さんの魅力は。 新さんとご一緒するのは3回目で、魅力も存分に分かっているつもり。最初から大迫さんは新さんがいいなと思って、新さんから逆算してキャラクターをかためていきました。柔らかさと、秘密を抱えている二面性がバチッとハマったと思います。新さんのお芝居には“あざとさ”という武器もあって、上手く計算して、視聴者へのサービスを上乗せしてくれることがあるんです。3話のラストで、ミヤビの記憶障害の原因が見当たらないという展開から、大迫の画に切り替わる場面がありました。新さんが「もう、怪しさを出しちゃっていいんじゃないかな」と提案してくれて、本番ではミヤビのMRI画像をじっと見ながらボールペンを動かす仕草を見せてくれて、「新さん、やってるな!」とうれしくなってしまいましたね(笑)。そういう“上手い”シーンを作りながらも、ミヤビに寄り添うナチュラルな姿も見せることで、大迫がテンプレートに収まったキャラにならず、『アンメット』の世界観のなかで地に足のついた、生きた人間になっている。井浦さんは、「どのドラマにも一人、井浦新が欲しい」と思わされる心強い存在です。
■岡山天音は“色気”に期待して綾野役に ――綾野を演じる岡山天音さんも、人気キャラクターの一人です。 岡山さんはもう……素晴らしいですね、本当に。杉咲さんと若葉さんも言っていましたが、技巧派。テクニックでやっているという意味ではないのですが、とにかくお上手です。ミヤビと綾野が食堂でご飯を食べている何気ないシーンにも、「この人たち、本当に上手いな」と驚かされていました。綾野は恋愛パートも多いキャラクターなので、テーマは“色気”だと考えていたんです。岡山さんとは、二回目なのですが……。 ――ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(22年)以来なんですね。『恋マジ』でも、岡山さんと飯豊(まりえ)さん演じるカップルが大人気でした。 そうです、おんぶのシーンが懐かしい(笑)。『恋マジ』の反響で、岡山天音が世の女性たちを吸引する力を持っていると感じていたので、綾野にハマるんじゃないかなと思ってお願いしました。まさにピタリとハマりましたし、改めて、ほかの人にはない魅力を持った俳優だなと。